仮想サーファーの波乗り

仮想化エンジニアの日常

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外国人留学生の日本就職状況から見るニッポンがヤバめな理由


「日本への留学生数ってなんとなく増えてる気がするけど、実際のところ増えてるんだっけ?」ということが急に気になって調べてみるといろいろ気づいたことがあったので書いておきます。


日本に来ている留学生数?

年間の外国人日本留学生数

まずはどれくらいの人数の留学生が海外から来ているのか確認できるこちらの図をどうぞ。

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(画像:「平成28年度外国人留学生在籍状況調査結果 在籍段階別留学生数推移のグラフ」)

これをみると、2016年時点での留学生数の合計は年間で23万人程度であることがわかります。日本人口の0.2%程度なので1000人いたら2人は留学生ってことですかね。まあまあ多いのではという感じがします。2012年から2014年にかけて一気に増加傾向になっていて、ここ5年程度で1.5倍まで増えていることがわかります。これはベトナムや中国の経済発展に伴って留学生が増えたことに起因してそうな気がします。

留学生の日本での就業数・比率

次に、日本に留学しに来た留学生はどの程度日本で就職することになっているのかを見てみます。

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(画像:「外国人労働者を巡る最近の動向 留学生の卒業後の進路希望と就職状況」

留学生の定義が異なることもあって母数は参考にならないので、就職希望者割合・就職できた人数割合を見てみます。就職希望者が留学生全体の6割いるのに対して、実際に就職に至ったのは2割になっていることがわかります。上で見た2016年度の広義での留学生総数は、239,287人いる。ということは、日本で働きたいと思っている人は全体の65%であるとすると、年間155,536人いる。一方で、全体の広義の留学生の内、2割だけが日本で就職できているとすると、年間で日本に就職できている留学生の数は4万8千人程度だということがわかる。(留学生総数239,287人 ☓ 0.2 = 47,857人 ≒ 4万8千程度)

留学生が日本で就職できない理由 = 日本語?

そもそも留学生数が多いのか少ないのかは置いておいて、「留学したし、就職もしたい!」と思っているのに就職できていない留学生が全体の4割もいるというのは結構衝撃的でしたね。留学生個人の個人資質もあるでしょうが、日本で求められる日本語水準の高さ、日本の独特の就職活動・企業文化、ビザの取得難易度も多分に影響しているように思ってしまいます。

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(画像:「2017年卒 企業 外国人留学生採用状況調査 外国人留学生に求める日本語レベルについて」

実際、マイナビの調査によると企業の留学生に求める日本語水準が極めて高いことがわかります。これは日本語を求められる職種において求人が多いからなのかな?と思って調べてみると、そのような事情も一因にはありそうです。下の図は、外国人留学生の採用ポストの比率です。

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(画像:「2017年卒 企業 外国人留学生採用状況調査 外国人留学生の配属先予定の部署について」

日本語能力を日常的に使用することが予想される営業・販売部門において採用予定の企業が多いことがわかります。「日本語能力の低さ(ただし、日本語ネイティブの日本人に比べて。)が一因となって留学生の採用が進んでいないなら、海外事業部門・情報システム・技術サービスの職種での採用を進めればいいのでは?」と安易に考えてしまいます。そこで分かった世界から見たニッポンの真実。


テクノロジーという観点で見たニッポン

下の図は、The Hays Global skills index 2017というレポートで算出されたもの。

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(画像:The Hays Global Skills Index 2017

この図を見ると、産業の技術的先進性の度合いを測る「Wage pressure in high-skill industries」の項目において日本の数値が著しく低くなっていて、主要国と比較した際の産業全体の平均としての技術的イノベーションの遅れが指摘されていることがわかります。ちなみに運営元のヘイズ・ジャパンにお問い合わせを行ったところ、日本の数値は厚生労働省からの公表されているデータを元に算出されているということでした。(詳細な算出方法などは複雑なため共有できないとのことでした。まあそりゃ企業秘密ですよね。)

この数値からざっくりわかることは、日本の産業は技術的進歩が他国に比較すると遅々としている、もしくは、既存の非技術的産業の既得権益が大きく、既存産業の破壊が進みにくくなっており、技術を生かした新産業が生まれにくくなっていて、技術者にとっては魅力の少ない国に映ってしまっているのではないか。と考えられます。つまり、技術系・情報系の人材に向けて求人を出しても採用できない。日本を就職先として選んでもらえない。就職しないのにわざわざ留学しない。というのが、日本への情報系の留学生が少ない・就職者が少ない結果を生んでるのではないかと思ってしまいます。

確かに、大学生の時に外国人留学生と話しした時には、「技術的に面白いから日本に留学してるよ!」という話よりも、「アニメや漫画・ドラマを子供の頃に見て文化が好きなんだ!」という人が多かった印象です。まあ文系だったから技術系じゃない留学生と偏って話ししていた可能性もありますが。


まとめ

日本への留学生の数、その内訳、就職したいと思っている留学生の比率などを見てきましたが、分かったこととしては以下のことかなと。

・就職したいと思っている留学生は一定数いるが、就職できる企業・就職環境がない。
・高度技術人材からは日本を選んでもらえない状況にある。
・20年~10年前くらいの日本に影響を受けて、今の留学生・外国人の日本就職状況がある。

最後の「今の外国人留学生数・就職者数は、10~20年前の日本に影響を受けている」というのが一番大きな気づきです。今の日本の状況に影響を受けて海外からの留学生の数・就職人数がどうなるかは、最低でも10年後までは分からないと。そして、外国からの留学生や就職者を確実に増やしたいなら、10年・20年後を見据えて日本をどのような国にしていくのか、どのような特徴があるのか、その特徴を表現したコンテンツを発信していく必要があると。10年・20年先を見据えて日本のどのコンテンツを伸ばしていくのか?という視点は、市・県・国レベルでの話だと思うので大きな話になってしまいますが、どのような動きがあるのか気になるところです。

また何か気づきあったら書きます。


では!