「今こそ、エンジニアになるべき!!手に職つくし、ある程度勉強してフリーランスとして案件こなせるようになれば誰でも月に数十万円は稼げるぞ!」
こんなツイートがTwitterのタイムラインで増えてきたので、エンジニア歴3年目になった立場から「いつかエンジニアになりたい!」と思っている人がエンジニアになるべきじゃない理由をまとめておく。
「いつかエンジニアになりたいな〜!」と思って、エンジニア初心者向けの情報発信をしているTwitterアカウントをせっせとフォローして勉強した気になっているすべての人へ。
エンジニアになりたい人がエンジニアになるべきじゃない理由
①エンジニア職はある程度勉強すれば誰でもなれるようになってしまった。
ProgateでHTML・CSS・JavaScriptのコースをやりきる、技術書に載っている簡単なサンプルコードをもとに実装をしてみる。実装したものをサーバーにデプロイしてリリースしてみる。
ここまでのことを、無料かつ1週間足らずでできるほど現代のプログラミング学習環境、プログラミング学習サービス、フレームワークは発展しました。
難しいことは頭のいい先人エンジニアたちが解決してくれていて、その恩恵にあずかるだけで、初心者でも簡単にそれっぽいWebサービスを開発できてしまう。
プログラミング学習がここまで簡単になったことは、これからプログラミングを学びたい人にとってはとっても喜ばしいこと。
...その一方で、誰でも簡単に学べるようになったことで、プログラミングを通して高い報酬を得ることはどんどん難しくなってきている。
PCが用意できれば、年齢も学力も経済力も関係なく誰でも簡単に学習することができるので、プログラミングの競争相手は急速に増えつつある。中高生でも大人顔負けのプログラミング能力を有してしまっていることも多い。
むしろ、時間がたっぷりあって学習スピードも早い中高生の方がプログラミングの能力をメキメキ上げている印象すらある。
藤原さんの話がとてもわかりやすい。
競争相手が多い場所では報酬を上げていくことが難しく、いかに競争相手の少ない希少価値のあるプレイヤーになっていくかが大事。
社会人として働いていて、土日の空いた時間でなんとかプログラミングの勉強をして徐々にエンジニアになるべく準備しているような人が、四六時中プログラミングに熱中できる中高生に勝てるはずがない。
それでもあなたは、プログラミングの土俵で戦うのか。
②日々新しい知識を勉強し続ける必要がある。
数年前まで標準的な実装方法だったデータベースの設計手法がアンチパターンだとわかる。数年前に実装したものが次のバージョンアップによって動かなくなることもある。新たなセキュリティ対策が必要になってその勉強もしないといけない。会社の開発業務をしているだけでは、最近の開発技術についていけなくなって自社以外で働けないエンジニアになっていってしまう...。
...と、エンジニアは業務外の時間でも常にプログラミングの勉強を続けていくことが必須になる。
あなたは日々進化していくエンジニア業界において、技術について一生懸命勉強し続ける必要がある。そして、あなたが必死に勉強している中、周りは寝るのも忘れるほど熱中して新しい技術をゲーム感覚て学び続けて、いつのまにかあなたが追いつけないところまでいっている。
あなたがお金を稼ぎたくて技術のことを学んでいるうちに、他のエンジニアはお金なんて関係なしに技術が好きで技術を学び続けている。あなたがお金のことなんて気にしているうちに、周りはどんどん技術力をつけてあなたは決して追いつけないところまでいってしまっている。
受験勉強が好きじゃなかった人は、受験勉強を思い出して欲しい。あの過酷な勉強期間が一生続く。それがエンジニア職。
自分が受験勉強を嫌嫌やっていた時に、なぜか楽しそうに勉強をし続けていたガリ勉くんっていたじゃん?どれだけ勉強頑張っても、そいつに勉強では絶対勝てなかったじゃん?それと同じことを職場でも経験することになる。
そんな場所で数十年間戦っていくことができるか?
技術が好き、新しいことを学ぶことが好きでないならば、この戦場に来るべきではない。
③エンジニア職はグローバルで競争にさらされるようになる。
ここまで書かかれている内容を、他の日本人エンジニアのことをイメージして読んできた方が多いかと思う。
しかし、エンジニア職は国籍関係なくグローバルでの競争が激化している。
プログラミングができて、仕事を一緒にできるだけの意思疎通ができれば誰でもエンジニアの現場に入ることができる。
年々目覚ましい進化をしている言語翻訳サービスが仕事の場でも使われるようになれば、純粋なプログラミング能力だけで世界中の人と戦っていくことになる。
一方で、営業職・企画職などの非技術系の職種は、いまだ日本国内特有の文化や社会通念によって高い参入障壁が残されている。
「日本は沈む船だから海外に出て勝負したい」と言ってる学生私の周り割と多いんだけど、私は中国やアメリカの一流大学でリベラルアーツと多言語鍛えたエリートとわざわざタイマン張るよりも、言語・文化ガラパゴスで外資参入障壁高めながら1億人市場ある日本にいる方が競争相手少ないかもよ、とは思う
— megan㌠ (@akiet97) 2019年5月5日
日本で暮らしたことがない人が急に日本人向けのサービスを企画したり、日本人に向けて営業をすることはやはり難しい。
しかし、エンジニア職においては、実装力さえあれば国籍に関係なくどんどん成果を出していくことができる。国籍も文化も言語も育った境遇も関係ない。オープンで誰でも参入できる戦場がゆえに競争は激化し続ける。
④エンジニアにならなくてもプログラミングはできる。
ここまでの文章は、あなたがエンジニアになることを想定して書いてきた。
しかし、そもそもあなたがエンジニアになる必要はあるのだろうか。
エンジニアでなくてもプログラミングを通して日々の業務の改善、新しいサービスの開発をしている人はいくらでもいるし、あなたもエンジニアにならなくてもプログラムを開発することはできる。
わざわざ職種にこだわって厳しい競争の門を叩かずとも、「自分の専門職×プログラミングチョットデキル」で戦っていけばいいのでは?
自分がいま取り組んでいる専門職の方が自分を手っ取り早く「レアカード化」させることができるかもしれない。
「エンジニアになること」を目的にしてしまうと、エンジニアになった途端に目標がなくなって熱が冷めて一気に業務外でのプログラミングをしなくなる可能性がある。これでは、エンジニアになることは害悪ですらある。自分にとっても納品先に対しても。
エンジニアになりたいからプログラミングを学ぶのか。
プログラミングをしている・物を作っている行為自体が好きでプログラミングをするのか。
誰かの何かの問題を解決したいからプログラミングをするのか。
エンジニアになること自体は難しくない。極端に言えば、無報酬でもいいならどこかの会社でインターンさせてくれと働かせてもらうことはできるだろう。でも、「エンジニアとして働くこと」と「エンジニアとして価値を出し、活躍すること」の断絶はめちゃくちゃ大きい。
⑤あなたは実は、プログラミングよりもネットサーフィンが好き?
「いつかエンジニアになりたい人は、エンジニアにならない方がいい」という理由を書いてきましたが、その最も大きな理由はこれ。
あなたはプログラミングをしているよりも、Twitterやブログ記事をぼーーっと眺めている方が好きなのでは?
後ろめたく感じる必要はない。これは別に悪いことではないと思う。
自分が好きなことに特化する方がより早くその分野に習熟できるし、楽しいし、より多くの報酬をもらえると言いたい。
そう考えると、つらい思いをしながらプログラミングを勉強してエンジニアになるよりも、自分の好きな分野のメディア記事の編集者を目指したり、企画職を目指したりした方が、幸せになれるのでは?
自分がエンジニアにならなくても、プログラミング教育必修化するし、プログラミングをすることのハードルは下がり続けてエンジニアになる人は周りでどんどん増えていくし、どこの国のエンジニアにでも開発を依頼できるようになっていくだろうから、自分はもっと周りの人が真似できないポジションを取りに行った方がよいかも?
「たしかになあ...。」と少しでも思った人は、今すぐ自分の目の前の仕事でしっかりと結果を出すことに集中した方がよさそう。
よそ見しながら楽にエンジニアになろうとすればするほど、目の前の仕事はおろそかになるし、プログラミング学習にかける必要のない高額な費用を払ってでも楽になろうとしてしまう。
楽になろうとすると、結局「頑張れずにエンジニアになれなかった...」という敗北意識と周りの成功者が妬ましい感情だけが増幅していく。そしてTwitterクソリプ製造機になり果てていく...。
まとめ
以上、「いつかエンジニアになりたい!」と思っている人がエンジニアにならないほうがいい理由でした。
最近、「エンジニアになって手っ取り早く稼ごうぜ〜💸!」みたいなツイート・記事をよく目にするようになったので、「エンジニアにならない方がいいよ!」という立場で記事を書いてみました。
この記事を読んで、「ああ、エンジニアって競争厳しいんだなぁ...。自分には無理そうだ...。やめとこうかな。」と思ったあなた。よかったですね。エンジニアにならない方がいいです。
プログラミング技術が好きでもないのにエンジニアになっても、あなたのためにならないし、あなたを採用した会社も幸せにならないです。
プログラミング初心者向けの情報商材を売りたい人が儲かって、さらに広告費用をつかって情報商材購入者が増えていくだけ。
では。