「過去に戻ることはできないけど、もしも自分が大学に入学する直前に戻れたら何をするかな?」
そんな疑問がふと頭をよぎりました。自分が過去に戻るとしたら、どんなことに時間を使うのか。真剣に考えてみました。タイムマシンが発明されるまでは、僕が大学入学前の時点に戻ることはできないので、大学入学直前の18歳ないしは19歳の若者に読んでもらえればと思って書きます。
仮想サーファーの大学生活とは
自分で経験・見聞きしたことだけが語る価値ありだと思うので、一応僕の大学時代やってきたことがコチラです。
【大学1年生~3年生】
地方都市の国公立大学に文系として入学。授業にほぼ出ず営業活動。2度海外放浪
【大学4年生】
個人事業・エンジニアのインターン・1度だけ海外放浪
ざっくりいうとこんな感じの大学生活でした。
どこにでもいるような俗に言う「意識高い系大学生」ぽいなと。
大学生活で意識すべきこととは?
ここからは、大学生活で当初は誤解してたけど意識変えて良かったな、効果あったなと思うことを書いていきます。
「4年間自由!大学生は時間はあるけどお金がない。」は嘘。自由に動き回れる期間は、実質2年半だけ。
大学に入学して最初の頃は、大学生活始まってすぐの諸々の手続きや、大学生活がどんなものかを学んだりと、自分の時間を作り出せるまでに意外に時間がかかります。そして、この期間に(情報が限られた中で)最善の選択肢としてサークルやバイトを始めてしまった人は、自分の自由に使える時間が一気に減ってしまいます。その後、そんなに好きでもないバイトやサークルに時間を費やし、授業も惰性で出てぼんやりしていると、いつの間にか3年生。3年生の春頃からは、早い人は徐々に就職活動(インターン参加など)を始めます。インターンに参加し始めると、情報やお金は少しづつ入るようになる一方、極限まで減っていく自分の自由時間。そして、就職活動に突入して内定をもらって就職活動を4年生の春頃に終え流。ようやく自由な時間を得た時には残り1年を切っています。
このように、特に意識せず周りと同じようにぼんやりと大学生を続ける場合、大学1年生の9月頃~大学2年生の3月までの1年半と、内定をもらって以降の大学4年生の1年間の合計2年半しか自由時間は存在しません。もちろん、その自由時間も大学の授業や最低限の生活費を稼ぐための時間は削られるため、実質的には完全に自由に使える時間は1年間相当しかないと考えていい。こう考えると大学生がいかに時間がないかがわかります。大学生は「時間もないし、お金もない!」なのです。
まずはこのことを事実として知っておきましょう。
「授業は出るべき!1講義に2500円も支払っている!」をそのまま受け止めて授業出るのはバカ。
大学生になると必ず1度は言われるのが、「大学に払っている金額で1講義の料金を計算すると2500円もするんだぞ!授業出ないのもったいないだろ!」という指摘です。これは、「講義を聴くことに対して料金を払っている」と考えると確かにそうなのですが、ほとんどの大学生は講義を聴くために大学に入学したわけではないはず。ほとんどの大学生にとって、「大学入学 = 勉強するため(or 研究・就職するため)」なはずです。大学で経済学を学びたいから経済学部に入学したのであり、エンジニアとして働きたいから、情報学部に入ることを選択したはずです(ちなみに、大学に入学すると、「偏差値的に合格できそうだったから。」という理由でその学部を選んだ人が大半を占めていて、明確な目的を持って入学した学生は「お前意識高いな!」と揶揄されるという謎の体験をすることになります)。その前提で考えると、講義を受けることは学習・自身の能力開発のための「手段」であって、「目的」ではありません。なので、「この講義に出ることに2500円を先に払ってしまっているから、講義は出ないと!」という発想ではなくて、「大学4年間を通して大学に払う料金以上の収入を手に入れるために、講義やゼミや大学生身分をどう活用するか?」という思考方法の方が本質的です。後者の「どう活用するか?」という視点で考えると、行ってもつまらなさすぎて寝てしまうような講義に出て90分居眠りしてしまうと、あなたの時給が1000円の場合、1500円もの機会を無駄にしてしまうことを意味します。であれば、その講義は友達にノートを取っておいてもらって、テスト前に500円でノートをコピーさせてもらって1日で猛烈にインプットし、単位だけを確実かつ最小のコストで取りに行った方がよっぽど意味があります。
上で紹介した「講義と単位の話」は、「意義と価値が見失われた行動」のほんの一例にすぎません。大学生活には、本気で追い込まれるゼミ活動や一生の仲間ができるサークル活動のような固有の価値を持つ素晴らしいものもあれば、自分がやらなくてもいいバイトや、ただ教授がプリントを音読するだけのような何も固有の価値を生み出さないものあって、それらが雑多にあふれています。そして周りの多くの大学生は、それら一つ一つの機会に対して、意義・機会の代替可能性・機会参加による機会損失を考えようとしません。その結果、周りに合わせてなんとなく行動していると、なんとなく時間がなくなって、なんとなく大学生活が終わり、なんとなく就職し、なんとなく人生つまんないな...。とボヤく人生を過ごすことになります。自分の時給が現状いくらなのかを認識して、「この機会は時給が1000円以下だけど、将来の自分の時給を上げる機会になるのか?」と考えたり「お金に換算・代替できない価値を生むのか?」と再確認し続ける人としない人では、一つの機会から得られる学びは大きく変わってきます。
「4年後に自分の時給を最大化するにはどうすればいいか?」を自問し続けましょう。
99%の先輩は全然すごくない。自分で問題定義をして価値を生んで稼いでいる先輩を真似すべし。
これは、新しい組織に入ったら必ずと言っていいほど発生する現象で、「まだ経験したことのない自分からすると、先に経験している先輩が輝いて見える」というやつです。しかしここまでの説明で分かったように、ほとんどの大学生は自分の機会、物事の価値をしっかりと考えていません。就職活動や、インターン経験、ゼミでの活動など、「自分もいずれは経験するであろうことを先に経験しているからスゴく見えている」のは、自分も経験した後になってみると「なんだ!全然すぐできるじゃん!」と気づきます。なので、自分も後々経験することになるであろう話を語っている先輩の話は、「ふ〜ん。そんな経験をすることになるんだなあ。」くらいで聞いていればよくて、スゴイと一目置く必要はありません。そうではなくて、個人事業やフリーランスとして働いたなど、「誰に言われるでもなく、自分で何か問題意識を持って、自分で取り組むことを決め、実際に取り組んでみた経験」を持っている先輩。この先輩を師と仰ぎ、彼or彼女から多くを学ばせてもらいましょう。自分で問題提起をして行動をする、そして何か価値を生んでお金を稼ぐという能力は、組織に属さずに自分の好きなことをして生きていくために必ず必要になる能力で、今の時代に個人が生きる上では最も必要とされている能力と言えます。本の転売でも、受託開発でも、ノートを他の大学生の代わりに書いて売るでも、何でもいいので自分で新しい価値を生み出す経験。この経験とそれに付随する経験知こそが大事です。
そのような自分で稼ぐ力を持っている先輩を見つけたら、その先輩のやっていることを手伝わせてもらう中で、そのやり方を盗みましょう。そして、なんとなくやり方が分かったら、小さくでいいので自分でもやってみましょう。その方法は、ブログを書くでも、地方と都市を結ぶオープンキャンパスツアー運営でも、メルカリのせどりでも、学生向けのイベントの運営でも、ほんと何でもいいです。最初は赤字でも、周りが求めていることを読み取って、それを満たすような取り組みをする。違ったらやり方を変えてみる。その結果として価値を生んでお金を稼ぐことができれば、あとはその方法を拡大させていくにはどうすればいいかな?と考えて継続的に改善していくだけです。そして、ここで重要なのが「自分のやりたいこと」を考えないことです。あなたの周りには「自分のやりたいことに取り組もう!」的なことを言っている人がいて、「自分のやりたいことないし、どうしよう...。」と悩んでしまうかもしれません。でも、自分のやりたいことなんて、自分のこれまでやったことのあることからしか分かりません。今までに周りに合わせて勉強してくることしかしなかった普通の18歳にとって、やりたいことが明確にあるわけがないのです。そうではなくて、「これいいんじゃね?」と素直に感じたことをいろいろと試していく中で、自然と自分の得意なこと、やってみて好きだなと思うことが見つかっていきます。そして、この「やってみて感じたことの積み重ね」が、「自分のやりたいことは〇〇だ!」のその時点での最適解となるのです。
この経験を大学生の時からしておいて、個人事業主・フリーランスとして働く際の税金会計周り、人に仕事をお願いする方法、企業や個人と契約をする責任などを学んでおけば、「最悪就職できなくても生きていけるな」という実感値が持てます。その結果、「自分のキャリアを考えると限りなく危険だ!」と思える機会の危険のハードルを下げることができ、選択できる機会の幅が広がります。その結果として、自分が本質的にやりたいことを選びやすくなります。
人的・金融・情報資産が蓄積されることに時間を使い、時間資産を買う
これは今まで資産という考え方を持ったことがない(家庭に守られていた)学生にとっては少し難しい話かもしれませんが、意識するかしないかで4年後の自分を劇的に変える考え方です。まず、自分の資産を「人的資産」「金融資産」「情報資産」「時間資産」に分けて考えます。人的資産としては、〇〇大学生という身分、頼れる友達〇〇くんとの繋がりなどを持っていること、また〇〇大学に入学できるだけの思考力、留学など経験があれば外国語能力などを持っていることが該当します。そして、金融資産は多くの大学生がほとんど0~10万円程度なはずです。僕は大学生の時に持っている貯金が5万円しかなかったので、毎月資産はほとんど増えずにその月暮らしをしていました。そして、情報資産とは自分の知っている(伝聞した)情報と、自分が実際に経験した経験知です。これまで受験勉強で学習した知識は塾講師として後世の大学生に勉強を教えるという価値に転換できるし、自分で経験した部活動での取り組みも自分の考え方や体を作っているという意味で資産と言えます。そして、時間資産は大学生という文脈でいうと、残された4年間です。
大学生活4年間を過ごしていく中で、「これらの資産をどのように運用し、増やしていくか?」という視点を持っておくことは極めて重要です。そして結論から言うと、「金融資産と時間資産をフル活用して、人的資産を増やしていく」という視点を持つことがカギです。というのも大学生は特に意識しないと、「時間資産を金融資産に変換する」という行為に走りがちです。その典型が、誰でも簡単にできるバイトに時間を使ってしまうことです。バイトは誰にでもできる仕事に自分の時間を提供することで、給料を得るという行為。すなわち、時間をそのままお金に変えています。しかし、バイトをしていたという経験は就職活動をする上でほとんど効力を持たず、誰にでもできる経験しかできないため、能力資産を蓄積することができません。とは言っても、「生活していくために生活費が必要なんだよ!」という苦学生もいることでしょう。そんな学生は、本当に自分に必要な支出は何かを考えて日々の生活費を下げ、稼ぐ必要のある金額を減らしましょう。そうすることで、自分の能力を上げないお金のためだけのバイトを必要以上にする必要がなくなります。
資産を蓄積していく上では、「能力資産・金融資産が蓄積されていくような行動は何か?」ということを考えて、そこに積極的に自分の時間を投資していくことが大事です。
・「Facebookに投稿していいね!数で承認欲求満たす」→「ブログを書いてそこへのアクセス数を積み上げる(→将来的に広告収入を見込む)」
・「好きでもないカラオケに付き合いでいく」→「株式投資で株/経済を学ぶ」
・「Youtubeでぼんやり動画を見る」→「Youtubeで大学生向けの情報を発信する」
・「誰でもできるバイトする」→「エンジニアとしてインターンする」
などのように、その場限りで資産がたまらない受け身の消費・時間の浪費は極力避け、将来的に何かの資産になってくれる見込みのある自発的な発信・能力開発に時間を使うように心がけましょう。これを意識し、早く小さく始めて継続しておくだけで、「アウトプットする必要あるから、勉強しないと!」という動機で新しいことを学ぶ機会が生まれ続け、新しいことを学んで改善していくことができます。そして、資産を増やす効率の良い方法が見つかっていき、最終的には、そこから得られた資産で時間を買うことができるようになります。1年も継続すれば、したくもないバイトの時給1000円で生活費10万円稼ぐために働かなくても、時給1500、2000円、3000円と、時間当たりで稼げる金額を増やし、少ない稼働時間で必要金額が稼げ、その金額の増加分、自由に使える時間資産を生むことができます。
これに早く気づいて始め、継続している人が資産家となり、働かなくても生活できる状況を作り上げることに成功しているのです。
「社会的な意義」より、「目の前の嫌なこと」を全力で変える。
大学生になると、それまで学校という狭い社会の中でしか物事を考えていなかった環境がガラリと変わり、会社・大学・バイト先・海外など、今まで触れていなかった社会との接点が一気に増えます。それに伴って今まで考えたこともなかった社会に関して考えるようになります。大学の講義でも、「環境問題が深刻だから何かできることはないか!」「日本は少子高齢化だし、労働生産性も低いからやばい!」「地方の人口減ってて地方が消滅してしまう!」などなど様々なテーマに関して学びます。自分一人の力だけではどうしようもできないテーマに関して学び、そのテーマに対して当事者意識が持てる人は、「自分は何もできないしょぼい存在だ!」と自分の無力さに悲しくなってしまう人もいるかもしれません。しかし、自分ができることは小さくて当然です。今まで18年間の人生で考えたこともなかったテーマに対して、大学生になって学部の授業でちょっと学んだくらいのガキんちょが、答えを出したり問題を解決できたりするはずがありません。社会人になると、壮大なテーマに悩んで自分ができないことを諦めて目の前の仕事だけに取り組む人もいれば、「社会のここがおかしいんだよ!」と安全圏からディスる行為に走る人が大半ですが、そうはなりたくないですよね。そうならないためにも、「社会でどんな問題が起きているのかは常にアンテナを貼りつつも、目の前にある本気で嫌なことを変えることに対して取り組んで少しでも変える」という過ごし方が建設的です。例えば、目の前の本気で嫌なことは人によって違います。中国語しか話せない留学生と一緒のクラスになって会話できないのが嫌だから中国語での挨拶と簡単な受け答えを覚えて話しかけてみたり、毎回講義の休講情報を確認するのがめんどくさいから大学のHP情報を定期的にTwitterに自動でつぶやくプログラムを開発してみる、講義がめちゃくちゃつまらないからどうしたら面白くなるかを考えて教授に提案してみる、などなど。まずは目の前にある「あ、これいやだわ!」と自分が感じるものに対して何かしらのアクションを取ってみてください。小さな問題を解決し続けた先に、自分の問題解決能力の向上が後追いしてきて、その能力の積み重ねが、将来的に自分が取り組んで変えることのできる問題の大きさを決めます。
いきなり過去問に取り組んで「できないから面白くない!」となるよりは、「ちょっと頑張ればできそう!」という基本問題を確実に解決していって、解ける問題が増えたところで応用問題に取り組んでいく。そうこうしてたら、いつの間にか点数上がってた!そんな感覚です。
バカみたいに熱中できることと、それに一緒に挑戦できる仲間を見つける
大学生の時にできた利害関係の少ないつながりは一生続きます。利害関係がほとんどない関係性が作れるのは、この大学生活が最後かもしれません。社会人になってからはメリットありきの繋がりがどうしても増えます。そのことを知った上で、自分が寝ることも食べることも忘れて熱中できることを見つけて、それに一緒に挑戦できる仲間を見つけられたら最高です。ただし、法的に罰せられることはやめましょう。(真顔)
親はもちろん、親族に感謝。年1回は墓参りに行こう
親にこれまで育ててもらった恩、大学行くまで資金援助してもらってる恩、今まで気にかけてくれていた親族一同に感謝を表明しよう。僕は4年生になって自分でバイト以外で稼ぐようになるまで、安定的に稼ぐこととそのために自分の時間がどれほど犠牲になるかの実感が持てていませんでした。そして、親への感謝を伝えることができませんでした。両親が50歳になった時に「1年に1回しか実家に帰らないなら、あと30回~50回くらいしか会えないのか...!!」と気づいて衝撃を受けました。いつ会えなくなってもおかしくないです。伝えられるうちに伝えておきましょう。
まとめ
「過去に戻ることはできないけど、もしも自分が大学に入学する直前に戻れたら何をするかな?」
という疑問から、大学1年生の自分に出会えたら伝えるだろうな。と思うことを書いていきました。
ここまで文章を読んでくれた人は、相当なヒマ人か、本気で自分の大学生活良いものにしたいと思っている人だと思います。
社会人になってから「自分のやりたいことがない!」「やりたいことでお金稼げない!」と言っている人のほとんどは、大学生の時に自分の完全なる自由時間を有効活用できていなかったからだと思ってます。そして、ここまで書いてきた僕もその内の一人です。
これを読んでいるあなたがどのような大学生活を過ごすのか僕は知ることができませんが、大学生活での1つ1つの小さな機会選択の差が、4年後のあなたのできることを大きく変えます。言ってしまえば、あなたが「日本の大学にいく」という機会選択をした時点で、「大学に行かずに地方で高卒で就職する」という機会選択をした友人や、「海外の大学で学ぶ」という機会選択をした将来どこかで会うかもしれない同世代とは、違うポジションを取ったことを意味します。
「普通の大学生活はもう俺が過ごしたから、騙されたと思ってここに書かれたことを意識して人生過ごしてみて!まずは1週間だけでも良いから!」
大学入学直前の19歳の自分に会えるなら、こんなことを伝えますかね。