仮想サーファーの波乗り

仮想化エンジニアの日常

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平社員の仕事に対するモチベーションが低い原因と隠された真実


1年前まで個人事業主として働いていて、中小企業の経営者と仕事をすることが多かったのですが、その時と比較すると、会社員になってから自分も周りの社員も仕事に対してのモチベーションが経営者に比べて圧倒的に低いことに気づきました。今回は、そんな平社員、経営者や投資家と比較して仕事に対してのモチベーション低すぎる現象に対して真剣に考えてみることにします。

会社員として働いていて、「仕事やる気にならないなあ...。」という方は、その理由が分かっているだけでもいくらか心の持ちように余裕が生まれるのではないかと思ってこの話を書くことにしました。


そもそも会社員と経営者の仕事意欲ってどんなもの?

まず、僕含めて会社員。僕らが普段の仕事に対して持っているモチベーションの状態を考えてみると、「求められた仕事をする(成果を出す)のが第一目標。そして、定時に来て定時に帰ることを目指す。」←これが一般的な社員の仕事に対しての捉え方ではないでしょうか。求められたこと以上のことをすることもあるけど、基本的には会社で求められていることをそつなくこなす。そして、毎月安定的に給料をもらうことを期待している。

これに対して経営者はどうか。彼らは、働くことを至上の喜びであるかのごとく自発的にやるべきこと・やりたいことを見つけて働き続けます。「全従業員に対して、事業をどうしていきたいのか、これからどんな戦略のもと動いていくのかを大々的に発表して事業をどんどん成長させていく。」←これが経営者の一般的な働くことに対しての捉え方ではないでしょうか。

ここにおいて、ただの会社員と経営者の間には「本当に同じ人類か?!」と思ってしまうほどの意欲の違いが生まれてしまっています。会社員は、自発的にやるべきこと・やりたいことを見つけて部署全体の戦略を大々的に語るなどということはほとんどしません。さらに、経営者には定時内で仕事をきっかり終わらせるという概念が存在せず、プライベートも使って仕事に繋がることをずっとやっています。経営者同士の意見交換会に行ったり、事業の成長のために永遠に思考の彼方に行っています。それに比べて会社員は早く家に帰りたい。帰ったら一ミリも仕事のことを考えたくない。飲み会に行って気分発散したいし、モンハンで一狩りしに行ったりしたいのです。

なぜこれほどまでの違いが生まれてしまうのか??


会社員と経営者の意欲の違いは、なぜ生まれるのか?

結論から言うと、会社員と経営者で仕事に対しての意欲の差が生まれてしまうのは、報酬系の仕組みに差があるからです。まずは、報酬系の仕組みとは何かに関して詳しく見ていきましょう。

報酬系の仕組み

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報酬系(ほうしゅうけい、英: reward system)とは、ヒト・動物の脳において、欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える神経系のことである。
(引用:報酬系 - Wikipediaより)

報酬系とは、簡単に言うと「これを頑張れば、これだけの嬉しいことがあるぞ!だから頑張ろう!」という期待があった上で、その期待が満たされること。その期待と報酬のサイクルが回り続けることを報酬系が機能しているといいます。「勉強を頑張れば、テストでいい点数が取れるという期待のもとで勉強を頑張り、結果的にテストで良い点が取れて嬉しくて更に勉強を頑張る。」というのは、まさしくこの報酬系を刺激されていることになります。脳からドーパミンが出ることによって、普段以上の集中力で目標を達成することができ、期待していたものを手に入れることができることで快楽物質が脳内で分泌されます。

この報酬系の仕組みは、仕事をする場面でも働いています。「頑張って走るのが速くなれば、クラス内で人気者になれるかもしれない!」という子供の持つかわいらしい報酬系から、「仕事で1000万円売上を上げれば、年収が100万円増える!」や「難しいシステム開発を成功させて、プログラミング能力を上げたい!」という仕事上での報酬系など、人が何かを頑張るときには、基本的にこの報酬系が働いていることが多いです。

それでは、この報酬系と仕事に対してのモチベーションがどう関係しているのか?

報酬系と仕事に対しての意欲の関係性

報酬系の考え方を「仕事で成果を出すこと、意欲的に働くこと」に置き換えて考えると、期待できる報酬総量・報酬が得られる可能性をより大きくしてドーパミンが分泌される量を増やし、その期待に対して熱中して成果を出し、さらに報酬を期待して頑張る。という報酬系が加速度的に働き続ける好循環を作ることが重要だということがわかります。

以上の前提のもとで、会社員と経営者の間に存在する、報酬系の差を明らかにしていきます。

会社員と経営者の報酬系の差

①金銭的報酬の違い

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会社員は基本的に事業の成長、自分が発揮した成果の伸びに対して、給料報酬が完全に比例することはありえません。営業成績が去年に比べて2倍に伸びた場合でも、年収の伸びは良くても1.3倍程度でしょう。もっと言うと、営業成績が去年に比べて1億円伸びた場合でも、年収が1000万円以上上がることはほとんどありません。しかし逆に言うと、営業成績が1000万円下がっても、1000万円も年収が下がることはありえず、下がってもせいぜい100万円程度でしょう。つまり、会社員の金銭的な報酬系は、成果や事業の伸びに対して硬直的だという特徴を持っています。

経営者も、役員報酬という意味では、全く同じように硬直的な関係性にある報酬系のもと働いています。しかし一つだけ違うのは、経営者は「株式保有」をしているという点です。この点において経営者はより大きな報酬系のインセンティブにさらされています。

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かなり単純化したモデルですが、仮に経営者が当初の株式保有比率25%を全く変えずに事業成長を果たし、事業価値を2倍にすることができたとします。すると、その会社・事業を売却することで、売却額が4億円として、そのうちの25%の1億円を手にすることができます。つまり、事業の成長をさせた分(株式保有比率を変えずに期待する売却額を引き上げた分)だけ、経営者の報酬は比例して増えることが期待できるというわけです。この報酬系の仕組みの違いによるインセンティブの違いは相当に大きなものとなります。これを利用して、一部のスタートアップでは、草創期に参画してくれた創業メンバーにストックオプションを与え、自社株の一部を購入することで労働意欲を掻き立てるわけですね。

以上のように、自分の労働の対価としての金銭的報酬という意味では会社員と経営者は違う報酬系の元に仕事に取り組んでいることがわかります。

②経験的報酬の違い

これは、特に大手企業に就職した新卒社員と大手企業の経営者などを比較すると明らかに違うことがわかります。新卒1年目では資料の翻訳、本の整理、掃除、テレアポ地獄、バグ潰しなど、本当に事業にとって意味があるのか?これが仕事だと言えるのか?と疑問に思ってしまうような仕事ばかりが回ってきます。これらの経験をすることによって得られる経験値と、経営陣がが海外のお得意先の商社と商談をまとめる会議をすること、システムのアーキテクチャから技術選定・重要な要件設計を一通りしてビジネスモデルも作りきった上で、開発チームを組成して開発をリードしていく経験など、経営陣が得られる経験値には圧倒的な差があります。

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ポケモンで例えるなら、会社員がトキワの森でピカチュウを捕まえている間に、部長は四天王を倒して一気に手持ち6匹全てのポケモンのレベルを5ずつ上げているような差があります。そして、特に大企業においてはジム戦に挑戦することができるかようになるのは何年先かも分かりません。

会社員は時間当たりの経験値が少ないため、成長実感・得られる快楽物質の総量も限られたものとなってしまいます。これは、一会社員でも自発的に働いて問題提起をして、新しい取り組みを始めるなど、意識と行動次第である程度変えることができますが、それによって得られる経験値の報酬系の総量は伸びても、金銭的な報酬系は相変わらず硬直的です。

このような組織の限界に気づいた優秀な社員は、起業/独立して自分で事業を始めるか、他の裁量権の大きい(金銭的・経験的報酬の報酬系が働きやすい)環境に転職を試みます。そして、優秀な社員から見放された組織は、事業成長による余剰分の金融資産・経験余地を社員や新規領域に投資する余地が減り、さらに限定的な報酬系の仕組みをとらざるを得ない状況になっていきます。

③やりがい的報酬の違い

仕事をすることによって得られる自己効力(有用)感。

人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のことを自己効力感という。 (引用:自己効力感(じここうりょくかん)とは - コトバンク

NGOやNPOや学生団体での働く意義、また上司と部下・先輩と後輩の間での師弟関係などは、この自己効力(有用)感をもとに成り立っていることが多いです。「給料が低いけど、やりがいがあるのでこの仕事を選びました!」というのが、このやりがい報酬の典型例です。

これは人間が現代の社会で生きていく上で、幸福感を持つために必須の要素とも言えるもので、これが得られないと生きている実感を得られないという人も多く存在します。

このやりがい報酬系は、②と相関関係を持ちやすい。また会社員と経営者という役職的な違いというよりは、事業のどの程度を自分の責任範囲として取り組んでいるのかというその範囲に比例します。つまり事業のどの程度に対して自分が貢献しているか、どの程度人々の役に立っているのかという自己認識の総量(俗に言う「やりがい」)であり、それがどの程度得られるのかというものは、その人がどの程度その事業に対して役割を担っているのかに相関します。これは必然的により大きな決裁権を持っているほど大きくなります。

以上、会社員と経営者の間に存在する①金銭的報酬の違い、②経験的報酬の違い、③やりがい的報酬の違いに関して見てきました。これらの3つの報酬系の差が存在することによって、会社員と経営者の間には埋めがたいモチベーションの差が生まれてしまうのです。


一会社員がモチベーションを高めるには?

ここで考えたいのが、「じゃあどうすれば会社員のモチベーションは上がるのか?」ということです。経営者は自分たちの報酬系を目減りさせることなく、この問題を解消することに関して思考を巡らせていることが多いですが、僕たち一会社員が不満を言っていても状況は何も変わりません。会社員は何ができるのでしょうか?

僕の個人的な意見としては、「会社に報酬系を求めない」が一番賢い選択ではないかと考えています。

つまりは、会社で働く上では最低限の時間的投資で報酬を得続け、それ以外の自分だけの時間で報酬系の働きやすい領域を開拓していくという機会選択です。報酬系の働きやすい領域とは、具体的にはYoutuberやブロガー、フリーランスなど、できる限り中間搾取が存在しない報酬系の仕組みを意味します。

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Youtuberやブロガーやフリーランスがなぜ生き生きと働けているかを考えると、「自分の活動・労働量に対して、先述した①②③の報酬の総量が比例しているから」ということに行き着くと思います。中間搾取者が少ない分、ユーザー(フォロワー)との距離も近く、会社組織・経営者(株主)という中間搾取分が多い会社員よりも多くの報酬系の中で生きることができます。

と言っても、報酬系が働きやすいということは良くも悪くも実力主義。実績がなく成果を出すことができないと報酬は全く得られません。その意味では、実績も成果もないうちは会社に属している方が賢明だと言えるでしょう。


まとめ

ここまで、「会社員のモチベーションが低いのは、報酬系の仕組みに原因がある」ということを明らかにしていきました。会社員でずっと暮らしていくのも、フリーランスで働くのも、起業して新しい報酬系を生み出すのも、どれも正解だと思います。結局は自分がどの生き方を選択するのか。最適な生き方を選択できることにかけがえのない価値があると思っています。

ただし、多様な生き方とその生き方の仕組みを知らずに何となく生きるのと、納得して生き方選択するのとでは、人生の終わりの瞬間に持つ充足感は天と地ほどの差があると思います。ポケモンで例えると、トキワの森で一生キャタピーを倒して過ごしてて、死ぬその瞬間に、もう一人のレッドが四天王を倒してポケモントレーナーの道を極めていることを知るみたいな。そんな感じですかね。

四天王を倒してポケモントレーナーの道を極める生き方も、一生トキワの森でキャタピーを倒す生き方も、色違いポケモンを探しまくる生き方も、どれも経験してみて一番自分にとって最適な生き方を存分に生きるのが最高じゃないですか。

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僕はポケモントレーナーとしての道を極めつつ、色違いポケモンを探す旅も続けていきたいと思います!(?)


では!