Webエンジニアは絶対にエンジニア副業をした方がいいと思った話。
とくに業務歴の浅い正社員Webエンジニアは副業やるべし。
業務歴3年目の終わり頃にエンジニア副業を始めたのですが、業務歴1年目の時から副業やっとけばよかったなと。
ちなみに、筆者の副業状況は↓こんな感じです。
筆者のWebエンジニア副業状況
- 2020年3月から正社員でWebエンジニアとして働きながら副業を始め、4ヶ月経った2020年7月現在では2社でWebエンジニア副業をしている。
- 正社員としては月160時間で残業なし。副業の稼働は月によるが平均すると月50時間。
- 正社員は半分リモート、副業は2社ともフルリモート。
- 2020年7月稼働分で、正社員&副業合計の月収で77万円くらい。
今回は、Webエンジニアとして副業したいけどできていないという方に向けて、Webエンジニアが副業をしてみて感じたメリットなどをまとめておきます。
業務歴の浅い正社員Webエンジニアが副業エンジニアをするメリット
メリットが大きいなと思った順に書いていきます。
技術経験(実務)が広がってキャリアの幅が広がる
WebエンジニアがWebエンジニアの副業をするメリットはこれが一番大きいと思います。
業務経験の幅が広がります。
たとえば、正社員エンジニアとしてはPythonとVue.jsで主にサーバーサイド・フロントエンド開発をしているとして、副業先ではAWSの新規サービスの選定と導入を含め新規でバッチシステムの開発をするなど、別々の技術領域のアウトプットをすることができます。
正社員エンジニアとして働いている開発環境と、副業で働く開発環境で採用されている技術が完全に同じという場合はほとんどなくて、別の技術を採用している場合が多いので。
とくに、人手が圧倒的に足りず副業エンジニアを採用しててでも直近の開発を加速させたいという開発組織も多く、「実務経験の深い領域に限らず、フロントエンドもサーバーサイドもインフラも何でもやってほしい!」と要求されることも多々。
逆に、副業先の開発環境がある程度しっかりしている環境であれば、それはそれで既存の処理をデバッグしていく中で自分の経験の浅い領域の技術に関して新しい実装のパターンを学べるし、レビューをもらう環境を増やすことで、客観的に自分のコードのフィードバックを得て改善点を見つけやすくなります。
どんな環境であっても学びは多いですね。
技術書や技術記事で書いてある教科書的な解説をただ眺めるよりも、業務で使われているコードをデバッグしていく方が実践的な学びとして定着しやすいと感じています。
また、ある程度副業を継続することで、その技術の実務経験を深めることができてキャリア選択が優位になるのも大きなメリット。
同じ3年でもこれだけ変わる
— 仮想サーファー@海外現地エンジニア就職予定 (@virtual_techX) April 21, 2020
本業だけ頑張って土日は趣味の開発
・Java歴3年
本業と土日に副業(業務委託週2日)
・Java歴3年
・Ruby歴1年
・Go歴1年
・Python歴1年
本業で複数言語扱える or 本業の言語で当分食ってくなら副業しなくてもいいけど、自分みたいな凡人は手広くやった方がよかたと思う
転職の面接時やフリーランスの新しい案件の面談をする時に開発組織で利用されている技術の業務経験があるかどうかは評価に直結する一方で、その業務歴の濃度(週5日開発していたのか、週2日の副業で開発していたのか)は詳細に聞かれないことも多いので、業務経験のある技術は多ければ多いと思います。
実際、筆者がJavaの業務歴だけで転職活動をしたときは、Javaでの開発企業の引き合いは強かったものの、未経験技術のPythonやGolangを採用している企業からの反応は悪かったです。
思い通りのキャリア選択を進めるためにも、自分が開発で使いたい技術の業務経験を積んでおくことは大事。
開発の生産性があがる
副業をすることで、必要に駆られて強制的に進化する感覚で開発の生産性が上がっていきます。
正社員エンジニアとして平日の日中働きながら平日夜や土日に副業をすることになり、自分のやりたい開発やプライベートの時間も確保しようとすると、必然的に短い時間の中で最大限の開発進捗を出す必要があるため、生産性向上に向けてあれこれ工夫するようになります。
筆者が真っ先に進めた開発生産性向上のための行動は以下。
開発生産性向上のための行動
- 最高スペックMacbookに買い替えた。(札束で殴る。生産性に直結する。Dockerコンテナ立ち上げ・ビルド待ち・サイト立ち上がり時間が劇的に短縮して集中力途切れること減った。)
- 技術書をためらいなしで買う。(初めての技術を体系的に短期間で学べるし、ググって解決できなかった問題が技術書読んだら一瞬で解決したことも多い。躊躇せずにすぐ買える財力大事。)
- 定期的な運動、良質な睡眠、健康的な食事に気を使うようになった。(何より大事。この3つのどれかが欠けただけで集中力下がって開発進捗滞ったので改心した。)
- ショートカットの多用、IDEの有効活用。(使ったことなかった便利ショートカットキーを覚え、IDEに課金して設定を網羅的に見直したり。)
副業をはじめたことで、ふところ事情に余裕ができたのでPCや技術書にガンガンお金を使えるようになったのが一番嬉しいですね。副業で使うものなので経費として買えますしね。
自分もそうですが、追い込まれないとやらないタイプの人は、正社員×副業でパツパツにすることではじめて生産性を強制的に上げられる。
報酬が単純に増える
稼働量が増える分、報酬も増えます。
副業を始めて驚いたのですが、副業の方が正社員で働くよりも時給換算で報酬が良くなる場合が多い。
周りの副業してるエンジニアの事情を聞いても、副業先の報酬の方が良いケースが多かったです。
副業先での報酬の方が高くなる理由は、副業での報酬を正社員採用のための予算として捉えている場合があること、副業報酬では一時的な契約ができるから企業側も報酬を上げやすいこと、社会保険料や税金の負担がないことなどが挙げられると思います。
ぼくも副業をはじめたことで、正社員で働いている時から月収が2倍になりました。
月収が増えたことで、先述したように技術書や最高スペックのMacbookをお金に悩むことなく買えましたし、結果的に開発の生産性をあげられて副業の開発進捗上がって報酬も増えていったので、お金はやっぱり大事だなと。
いつまでお仕事もらえるか分かりませんし、急に働けなくなることもありえますからね。
お金は稼げる時に稼げるだけ稼ぐべし。稼げたお金で技術学習を加速させつつ、生産性も上げられてさらに報酬上がりやすくなる。
マネー is パワー。
場所にとらわれずに自由に働きやすくなる
Webエンジニア副業は基本的に平日夜や土日の稼働でもOKでリモートで働ける場合が多く、場所や時間の制約が少ないです。
副業だけでも生活費と貯金ができる程度には稼げるので、田舎でおいしい地産料理を食べながら低コストで暮らしながらWebエンジニアとして働くこともできるし、海外を転々としながら働くというワークスタイルも選択できるのは大きなメリットだよなと。
筆者は、近い将来海外でWebエンジニアとして働きたいと思っているのですが、海外で急にレイオフされても副業の案件を持っていれば生活には困らないですからね。
正社員で1社で働いているだけだと、その企業の業績悪化で急に転職しないといけなくなった場合にすぐに転職先を決める必要があって不本意な会社選択になってしまう可能性もありますし、このコロナのご時世に「リモート禁止!」とされて環境に問題を感じてもすぐに会社を辞める選択もしづらいですからね。
1社だけに依存するのはよくないなと。
いろんな国を旅しながら働きたい人、地元でゆっくり働きたい人、都心でゴリゴリに働きたい人、どんな人でも自分の希望のワークスタイルを選択しやすくなるので、Webエンジニア副業はよい。
複数の業界知識に詳しくなり個人開発のネタが増える
Webエンジニア副業を募集している企業はスタートアップも多いので、業界の中でも未解決の課題に取り組んでいたり、経営者と社員の距離が近い場合が多いです。
個人開発をガッツリしたい、もしくは将来起業も視野に入れているエンジニアにとっては、特定の業界の課題に詳しくなれることは大きなメリットだと思います。
筆者が副業Webエンジニアとして参加している会社は、1社がテクノロジーの入り込んでいないレガシーな業界をWebで変えようとしている会社で大人めなスタートアップ、1社がWebによって大きく生産性を向上できる業務の改善をメイン事業としていて開発環境もまだ未熟で何から何まで1人のエンジニアが考えて実装するしかない裁量がありすぎる若いスタートアップと、それぞれの会社で働くことで業界知識や法人の抱えている課題の理解など、正社員エンジニアとして働くだけでは得られていなかった情報を得られているなと。
事業の作り方・どんな顧客がどんな課題を抱えているのかは、自分が誰かに何かのサービスを提供する上で超重要な知識になる。
もちろん、副業先で得た情報そのままの個人開発や事業作りをするのはダメですが。
業務歴の浅い正社員Webエンジニアが副業エンジニアをするデメリット
メリットは分かったけど、デメリットはないのか?ということで、デメリットも挙げておきます。
デメリットはほとんどないと思っていますが、しいてあげるなら以下ですね。
単純に忙しくなる
これはまあ稼働時間が増えるので、しょうがないですよね。
とくに家庭を持っている方や、本業以外でガッツリ取り組みたい趣味がある方にとっては、副業で忙しくなることはデメリットとなるでしょう。
筆者は、趣味もなく暇になるとYouTubeとTwitterとNetflixとQiitaを無限ループで眺めるだけの時間を過ごして1日の終わりに虚無になってしまうので、むしろ副業を始めてからの方が1週間の充実度が高まったように感じています。
業務歴1年目から3年目の中盤までは、技術的なアウトプットをするでもなくぼ〜っとインプットをしていただけだったので、転職する時に技術力的な面で大きな機会を失ったなと後悔しました。
副業やらずに時間がたくさんあっても大半の時間は不毛な時間を過ごしていたので、業務歴1年目の頃からエンジニア副業に取り組んで、技術の実務経験積みつつじわじわ報酬上げていくように動けばよかったなと...。
確定申告をする必要がある
Webエンジニア副業をすると確実に正社員給与以外の所得が20万円を超えるので、確定申告をする必要があります。
確定申告がめんどくさいという方もいると思うので、デメリットかもしれません。
筆者は、確定申告なんて1日もかからずに終わるし、個人事業主登録(これも書類書いて郵送するだけだから1時間くらい)して、家賃や副業のために買った技術書やPCや会食などいろいろ経費にできるので、そこまで大きなデメリットではないなと感じています。
でも、一部のエンジニアの方にとっては強烈なデメリットに感じる方もいますよね。
以前、この人フリーランスになったら月収2倍にはなるだろうなという方に「フリーランスにならないんですか?」と聞いたら、「確定申告がしたくないから会社員として働き続けている」と言っていて、たかが半日の苦労のために数百万円の機会損失が生まれているなあと思ったことがありました。
まとめ
以上、実体験からWebエンジニアは絶対副業した方がいいと思った話でした。
エンジニア副業を始めて4ヶ月ですが、始めてみるとメリットの方が断然大きいなと。
エンジニア副業を始めるまでは、「忙しくなるの嫌だしな〜」とか、「お金目的で副業するの続かなそうだな〜」とぐちぐち考えることもあったのですが、もっと早く始めればよかった。
需要がありそうでしたら、Webエンジニアの副業の探し方と、Webエンジニアの副業の始め方(初期に気をつけると良いこと)も近々まとめようと思います。
では。