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「我々日本人とは何者なのか?」その一つの答えとなる百田さんの『日本国紀』


百田 尚樹さんの『日本国紀』を読みました!

『永遠のゼロ』・『海賊と呼ばれた男』と百田さんの独自の切り口での作品の描き方は個人的に好きだったので、そんな百田さんが描く日本の通史である本書はぜひとも読みたいなと思っていました。


ワクワクしながら実際に本を買ってみると、まず気づくのがめちゃくちゃ重いということ。笑

500P以上ある超大作。

そして、ページをめくり始めるとどんどん読み進めてしまう。

今まで教科書で学んでいた日本史とは全く別の視点で描かれている日本・ぼくらの祖先の姿にどんどん惹きこまれていきました。


読んで印象に残った点


日本史の通史なので、内容に関してはほんと立ち読みでも買ってでも読んでほしいとしか言えないのですが。

自分の振り返りの意味でも感想を書いておきます!


われわれ日本人とは何者なのか?

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これが本書での最大のテーマだと思います。

神武天皇の時代から、ぼくらの生きる平成の現代に至るまで、各時代の日本人はどう考え・どう生きていき・どんな戦いをして・どんなことを大事にしてきたのか。

日本の歴史を一本の流れとして描いていて、最終的には「なぜ今の日本があるのか?」に関して、百田さんの日本史観を通して考えることができる。


とくにこの本での日本史の描かれ方で特徴的なのが、各時代の権力者・為政者はどのように力をつけ、どのように衰退し、どのように新たな為政者が生まれたのか。その背景にあった動きと流れが繋げて書かれているということです。

日本史の教科書では、「いい国作ろう鎌倉幕府。1192年に鎌倉幕府が樹立された。」みたいな出来事がぶつ切りにされて描かれているけど、それが本書では繋がりを持っていて当時の日本人の生活や文化の変化や考え方や心情の変化をありありと感じ取ることができる。


「日本人とは何者なのか?」という一つのテーマを持って一貫して描かれている通史だからこそ、一つの日本史観を持つことができた良書でした。


日本人の強みとは?

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各時代の為政者の栄枯盛衰や、戦争における日本人のふるまいから、どこに日本人の強みと弱みがあるのかを読み取ることができました。

これは本書を読む人によって受け取り方が異なるのかもしれませんが、ぼくは日本人には以下のような強みと弱みがあるんだなぁという理解にいたりました。


【強み】
・逆境にさらされると、学習意欲と自分でやってみる精神であっという間に成長する。
・礼儀正しく、ルールに従うことに抵抗がないため、仕組みがうまくいっている間はめちゃくちゃ平和になる。

元寇に対しての日本防衛、江戸末期の列強による不平等条約締結・開国以後の明治維新機の各藩の経済・軍事力の成長、敗戦後の経済的な復興などなど、危機にさらされた際に他国の進んだ技術や知恵を学習し、模倣して作り上げてしまう。

そしてその過程で自国風にアレンジされたものに発展していき、新たな技術・文化が生まれてきた。

漢語を草書体にした平仮名も、種子島にわたってきた鉄砲を量産したのも、蒸気船を本と模型をもとに造り上げたのも、日本独自の経営理念で敗戦後20年程度で復興を果たしたのも、日本の特性を表している。


危機に瀕して一気に独自の技術・文化を生み出し成長し続ける。そして、ある程度成長して危機が去ったら安心して内向きになって新たな挑戦をしなくなりがちになる。その結果、次の危機に瀕するまで衰退し続ける...。

というのが日本の典型的なパターンかなと。


戦後復興を果たしてから今はどの段階にあるのかと考えると、現代と将来に対しての認識が少し明らかになる気がしますね。


日本人の弱みとは?

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上記に挙げた強みの裏返しでもありますが、圧倒的に成長した後にその成功体験を引きずってしまい、その成功体験・出来上がった仕組みを捨て去ることが苦手なのが日本。


【弱み】
・一度得た圧倒的な成功体験を引きずってしまって長期間にわたって過去の成功に縛られる。
・全体の目的を捉えて、優先度の高い部分を見極めて資源配分するのが苦手。
・起こってほしくないことは、口にしないし考えずに先送りにする。


平安時代に栄華を極めて自分の地位が揺らぐことはないと思って没落した藤原道長。日露戦争で海戦に勝ってしまったがために、その成功体験をもとに軍略を描き続けてしまったこと。戦後の人口ボーナスと重工業への傾斜生産で急激な経済発展を遂げたことから、注力する産業の転換・教育制度の転換・行政制度の転換をすることが遅れたことなどなど...。


そして、この日本人の特性を考えると、江戸城を無血開城して事実上大きな内紛がなく為政者と国の仕組みが大きく転換することになった「明治維新」が世界的にも日本の歴史から見ても特徴的なことがわかる。(本書の明治維新〜維新後の章を読むと言わんとすることがわかると思います。)


また、「言霊主義」という独特な考え方があり、起こってほしくないことは徹底的に口にせず・かんがえることも避ける。

古くは菅原道真が藤原氏によって太宰府に流罪にされた後に、藤原氏の者がことごとく亡くなったこと。これが菅原道真の祟りとして恐れられたことにはじまる。

良くないことを口にすると、「縁起が悪い!」といって、そこで思考停止してしまう。


これは現代に生きるぼくらにも共通する部分がありそうだなと感じました。



この他にも数十個の感想がふつふつと湧いてきて、そのたびにググって関連情報を調べて、また本に戻って...としていたら1週間ずっとこの本を読むのに時間を使っていました。

この本は、「読むことで、今すぐに日々の生活が良くなる!」とかっていう本ではないです。

ですが、今の日本にある制度がいつからあるのか、なんでその制度が生まれたのか、先人たちは何を考えてこの建物を作ったのか、自分の生まれ育った故郷にはどんな人が生きていたのか、なぜ戦後急激に経済復興したのか、なぜ急激な経済復興から今は経済成長が止まっているのか...。

日常の目の前にある様々なことに対して、新たな目でみることができるようになると思います。


まとめ

以上、『日本国紀』の書評でした!


500P以上ある超大作なので、全部読みきるまでに1週間もかかってしまいましたが、毎回ページをめくるのが楽しみになる本でした。

まだ今年が始まって2ヶ月しかたっていないですが、2019年に読む本の中でダントツにいい本になるだろうなと( ・v・)


日本国紀
百田 尚樹 (著)
幻冬舎 (出版)
2018-11-12 (発売日)


ぜひ1度手に取ってみてください〜!


では!