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【書評】自分の生き方を考えるコンパスになる『これからの世界をつくる仲間たちへ』 落合陽一


落合 陽一さんの『これからの世界をつくる仲間たちへ』を読みました!

2016年に初版発売された本なので内容が少し古くなっているかな〜と思って読み始めましたが、2019年の今読んでも参考になる指摘の多い本でした。


・IT革命が起こり、オリジナルの専門性を持たないといけない現代。これからどう生きるか?
・これまでの時代はどんな仕組みで何が重要な時代だったのか、これからの時代はどうなるのか?
・具体的にどんなことを意識して自分の時間を使っていくと良いのか?
...etc


これからの時代にどのようなことを考えて生きていくと良いのかを考えさせられる良書。今後のキャリアを考えたい全ての大学生・社会人が読むと良さそうだなと思いました( ・v・)


読んで印象に残った点


これから考えないといけないな!とおもった指摘に関して書いておきます。

21世紀までの時代と21世紀の違い


20世紀までの情報革命以前と、21世紀の情報革命以降でどのような時代性の違いがあるのかに関しての指摘がされていました。


20世紀までの時代は大きく2つの特徴があった。

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①単一のメディア媒体によって発信者とフォロワーの枠組みを作り、一方的な搾取構造があった。
②仕組みがわからないこと(魔術)の解明の進展


①単一のメディア媒体によって発信者とフォロワーの枠組みを作り、一方的な搾取構造があった。

限られた情報にアクセスして情報を整理して伝えていたテレビにより、大衆は情報を一方的に与えられていた。その結果として、いくつかの成功モデル、画一的な幸せの定義が国民の普通として意識させられ、その通りに生きることが幸せだとされていた。

そこには、既存の資本を持った人たちの作った仕組みの上で多くの人の考えを同一化することで搾取をし続けられる仕組みがあった。住宅ローンや、大企業で定年まで務める会社員や、車を持つ生活スタイルなど。


②仕組みがわからないこと(魔術)の解明の進展

19世紀ごろまで解明されていなかった「火を通すと食べ物が腐らない」という魔術的なものが、パスツールが細菌の存在を発見したことで解明した。この他にも、あらゆる仕組みが新しく作られ、加速度的に解明され続けていったのが20世紀。

一見すると魔術的に思えることも、仕組みを勉強することで理解しやすい時代だった。


上記のような時代から、21世紀の情報革命によって時代が大きく変わった。

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①情報を誰でも双方向でやり取りすることができるようになった。
②仕組みがわからないこと(魔術)が加速度的に増えた、
③物理リソースによらずに資本を形成できるようになった。


①情報を誰でも双方向でやり取りすることができるようになった。

ネット上の掲示板をはじめ、TwitterやYoutubeなど双方向に情報を発信できるようになり、Google上で簡単にどんな情報にもアクセスできるようになった。その結果、情報のアクセスが制限された時代において重宝されたメディアの価値は衰退し、オリジナルのコンテンツを提供できる人が発信力を持つようになっていった。


また、21世紀になって情報にアクセスすることが容易になったため、「意識(だけ)高い系」という存在が揶揄されるようになった。意識(だけ)高い系というのは、専門性を持たず、人脈から得た知見を披露することしかできない人のこと。

インターネット上に情報がすぐに拡散されるようになった21世紀以降には、伝聞情報を持っているだけの人の価値が一気に低下し、伝聞情報から話す内容だけは高尚になっている(実績はない)という人が役立たずとなってしまった。


そして、情報が双方向にやりとりできるようになったことで、クラウドソーシングで海外の人に外注することも一般化するなど、世界中どこの人でもインターネット上で労働力として商品化された。これによって、「比較的誰でもできる仕事を処理する能力」の価値が暴落し、「自分だけのオリジナルの暗黙知を提供できる」人の価値だけが上がることとなった。


②仕組みがわからないこと(魔術)が加速度的に増えた、

普段何気なく使っているスマートフォン、iPhoneのSiri、Webアプリケーションなど、仕組みを作り出す人が加速度的に増加し、その全ての仕組みを知ろうとすることが不可能になってきた。

そして、すぐに仕組みを知ることもできず、その仕組みの変化も速いために「むずかしい仕組みのことは我関せず!おまじない!でも使えるよ!」という人が増えてきている。


全ての仕組みを知ることは不可能なので諦めるべきだが、自分の専門性の分野に関しては仕組み(魔術)を作り出す人にならないと、先述したように比較的誰でもできる仕事に取り組むことになり、報酬をえることも難しくなっていく。


③物理リソースによらずに資本を形成できるようになった。

情報革命によって、マルクスの資本論の基本的な考えとされた「資本を持っているものはさらに資本を膨らませていく」という前提が一部で崩れた。金銭的な資産は世襲することができても、能力は世襲することができない。

また、新しい富を生み出すために必要な物理的なリソース量が著しく低下した(Mac一台で起業して事業を作り出すことができるなど)ため、誰でも資本を生み出すことができるようになった。


この意味で情報革命は革新的であり、時代のあり方を大きく変えた。



20世紀から21世紀になるまでに、これらの時代変化が生まれた。

これらの変化が生まれ、加速度的に変化している現代において、ぼくらは何を考え何に時間を使うと良いのか??


そのことに関しても、本書では言及されていました。


21世紀のIT世界でどう生きるか

これからの時代に考えて行動するべきこととして、本書で指摘されていたのが以下。

①これまでの時代性、これからの時代性を理解する。
②何かに対しての強いモチベーションを持つ。
③自分だけが取り組むオリジナルの問題を見つけて取り組み続ける。


①これまでの時代性、これからの時代性を理解する。

これは、先述したような時代の変化の連続性と、今の時代に何が求められているのかを理解するということ。自分が取り組む仕事はどんな意味があるのか、その仕事は自分にしかできないものなのか、先人がやってきたことをそのままやっているだけなのか発展させたものなのかなどを理解するためにも、時代性を理解することは必須だと。

「アナログの縄文土器を作ります!」とかって自分のやりたいことを決めても、それをなぜ今やるのか、それをやって誰が嬉しいのか、それをやることに自分だけの専門性は活かせるのかなどを考えないと他者から受け入れられることはない。


他者に受け入れられない・他者に対して何ら価値を生まないことはやっても報酬が得られず持続性が担保されない。だから一回性のものになって無駄になってしまいやすい。

そうならないためにも、今はどんな時代で、今まではどんなことが起きていて、今なぜそれを自分がやるのか、それは将来的にどのような価値を生むのかを考えるべきであると。


②何かに対しての強いモチベーションを持つ。

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何かに対する強いモチベーションのない人間は、コンピューターに「使われる」側にしか立てません。
モチベーションを持ってコンピューターをツールとして使う「魔法をかける人」になるか、あるいは「魔法をかけられる人」のまま、になるのか。そこに大きな違いが生まれます。
(引用:これからの世界をつくる仲間たちへ


何かに対してモチベーションを持っていることが、コンピューターと人間の違い。コンピューターは自分で「これをしたい!」と思うことはないので、人間が何か「これをしたい!」と思ったことをコンピューターを使って実現しようとしているときは魔法をかけようとしている(仕組みをつくろうとしている)ことになる。

その反対に、モチベーションなくだらだらとTwitterやYoutubeを眺めているのは、誰かのつくった魔法をぼーっと眺めているだけで何も生み出していない。


自分だけの専門性を伸ばし、オリジナルな価値のある人になっていくには、「これをしたい!」というモチベーションを持ってコンピューターなどのテクノロジーを活用することが必須。


③自分だけが取り組むオリジナルの問題を見つけて取り組み続ける。

時代性の中でも言及していたが、これからの時代においては「自分でなくてもできる仕事を処理能力高くできること」の価値は急落していく。自分にしかできないこと(自分だけの暗黙知)を持っていることで、自分のオリジナルの価値を持つことになり、IT世界でどこかの分野でその暗黙知を活用して活躍することができる。


また、「他の人が気づいていない問題はないか?」と考えることが、自分の専門性を決める上で重要。オリジナルの価値を持っている人は、自分だけの問題認識を持っていた。iPS細胞を発明した山中教授もそうだし、iPhoneを生み出したスティーブ・ジョブスもそう。


といっても、他の人が気づいていない問題に気づくのは難しいから他の人と違う考え方はないかな?と思考の視点をずらしてみるのが有効。

「50歳で急に退職することになった専門性もなくてヤバイ!」と考えるのではなく、「50歳のおじさんが退職してすぐに仕事がなくて暇だからTiktokerになってみた!」みたいな、問題を「専門性がなくて就職先が見つからないこと」ではなくて「時間はあるのに会社で働く以外の仕事をしようとしないこと」と思考を切り替えることで、他の人がやらない新たなオリジナルの取り組みをはじめ、専門性を伸ばしていくことができる。


様々な指摘がされていましたが、これらの指摘をもとに自分の時間の使い方をどのように変えるのか?が重要ですね( ・v・)/



まとめ

以上、落合さんの『これからの世界をつくる仲間たちへ』の書評でした!


簡単に内容をまとめると以下。

20世紀は以下のような時代だった。
①情報を誰でも双方向でやり取りすることができるようになった。
②仕組みがわからないこと(魔術)が加速度的に増えた、
③物理リソースによらずに資本を形成できるようになった。

それが21世紀になって以下のように変わった。
①情報を誰でも双方向でやり取りすることができるようになった。
②仕組みがわからないこと(魔術)が加速度的に増えた、
③物理リソースによらずに資本を形成できるようになった。

21世紀に生きるぼくらは、以下のことを考え続けて行動していくとよい。
①これまでの時代性、これからの時代性を理解する。
②何かに対しての強いモチベーションを持つ。
③自分だけが取り組むオリジナルの問題を見つけて取り組み続ける。


落合さんの本で読んだのは5冊目くらいだと思いますが、どの本も気づきの角度が微妙にずれていてどの本を読んでも学びがありますね。

2019年が終わる頃に、1年間で専門性が伸びているか振り返りながら読み返したいですね。


これからの世界をつくる仲間たちへ
落合 陽一 (著)
小学館 (出版)
2016-03-28 (発売日)


では!