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【書評】落合陽一さんの『日本進化論』PoliTechの観点から日本の課題に対しての洞察


落合 陽一さんの『日本進化論』を読みました!

自民党の小泉進次郎さんと落合陽一さんのPoliTechに関する議論、Yahoo!の安宅さんの日本国の財政状況と世界に比しての教育投資額の少なさなどへの言及、日本の現状と今後の日本の長期トレンドからどのような問題が生じうるのか、その問題に対してどのように対応していくことが求められているのか。


特に政治的なアプローチと技術的なアプローチからどのようなことができるのか??

を明らかにしている本でした。


自分の読書メモとして書いておきます。


読んで印象に残った点

参考になった点をまとめておきます!!


テクノロジーは人間とのかかわり相互作用の中にある

「テクノロジーを使う」という表現はどこかおかしい。その考え方があるから人工知能技術によって現在ある仕事が奪われて仕事に困る人が生まれるのではないかなどの指摘が生まれしまう。

「テクノロジーは人間とのかかわり相互作用の中にある生態系のようなもの。」と考える方が自然で、新しいテクノロジーが発達したから既存の人手で行なっている非効率な作業をどのように効率化し、空いた時間でどんな新しいことをしようか?と肯定的に考える方が良いと。


この指摘は間違いないけど、いつまでもこの指摘はなくならないなと疑問。

新しい技術に対しての嫌悪感は、「実態がわからないものに対してのなんか嫌だな。怖いな。」という感覚に近い気がする。手を動かして人工知能や機械学習のチュートリアルを触ってみたりすれば払拭されるのかなと。現代だとどんな新しい技術もググればある程度のチュートリアルは出てくるし、さわりを理解するのには困らないはず。

そう考えると、「新しいものに対して好奇心持って触ってみる知的好奇心の欠如」が、新たな技術に対しての嫌悪感を生んでしまう原因なのかな。



国のリソース投下の問題点

日本の現状の問題は以下2つが大きいと。

①シニア層、過去へのリソース投下の大きさがために、未来に投資できない。
②インフラ投資額が大きく都市集中型の未来しか描けない。


①シニア層、過去へのリソース投下の大きさがために、未来に投資できない。

①は、戦後日本の経済成長を担った功労者たちの存在があり、彼らが日本の有権者全体の4割の票数を占めている。そのため、政府としては彼らの直近の関心ごとである介護費の値下げの政策などを掲げる方が票数を獲得することができる。

それが原因で、長期的に子供達の教育予算に投資すること、子育てする親世代への金銭的なサポートをすることが後回しになってしまう。


日本の財政状況を一家族で表現したものが面白い指摘でした。

現在の日本の財政状況を一家庭に例えると、両親の稼ぎよりと追加で借金をしてまでおじいちゃんおばあちゃんにお金を払っている。両親は借金の返済のために稼ぎをほとんど使うことができず、子供達はお金が回ってくるのが最後だから教育のためのお金なんて与えられず、雑穀米を食べて食いつないでいる。


これがシルバー民主主義の現状であり、現状をしっかりと認識した上で、現状と今後の問題を解決するための長期的な方針が必要であると。


②インフラ投資額が大きく都市集中型の未来しか描けない。

これも日本の抱えている大きな課題であると。

少子化と地方から都市への人口流出によって都市に人口が集中している日本においては、地方でのインフラ投資額が地方での経済力に比して増大してしまう。ある都市では、全地域民にベーシックインカムを割り当てるほどの予算が割かれている。

そして、その予算は全てインフラの維持費用に使われている。


このような地方経済の状況にある今、テクノロジーを活用して地方経済でのインフラ費用を下げていくことが必要。

例えば、UberやAirbnbのような有休資産を活用することで新たな経済を生み出してインフラ費用を地域民の稼ぎに転換することや、過疎地域での病院・買い物の足を低コストで提供するために自動運転車の導入を進めるなど、限界費用が限りなくゼロに近いテクノロジーの特性を生かしてインフラ費用を引き下げていくことが急務であると。


問題解決のためのアクションプラン作成の手順

本書の最後に、複雑な問題を具体的な問題に切り分け、解決を進めるために有効な手順が紹介されていました。


問題解決のためのアクションプランを作成し共有する進め方としては、①今までの問題を共有する。②未来にあるべき姿のためにどういう方向に向かうべきかを明らかにする。③未来に向かうにはどんなアクションプランがあるか策を出す。④アクションプランを実行するために今ある問題は何か特定する。という手順が有効。

また、具体的に思考を進める上で、以下のような問いに答えていくと良いと。

・今までその分野にどんな課題があったのか?
・今後はどんな問題が出てくるか?
・何をどうしたらいいのか(問題解決の指針は何か)?
・政策的に解決するならどうしたらいいか?
・技術的に解決するにはどうしたらいいか?
・未来にどうなってほしいか?


これらの思考を進め、自分・自分の組織はどのようなアプローチでどの問題を解決することを目指すかを明らかにし、関係者で目的を決めることで具体的に次に何をするかが明確になり、次の有効なアクションに結びつきやすそう。


まとめ

以上、落合陽一さんの『日本進化論』の書評でした!


落合さんってなんで日本の問題点や日本をどうすべきかを本で書いているのかな?と思っていましたが、最近落合さんが始めたnoteで言及されていて、なるほどなと思いました。


【落合陽一は何をしたいか】
まず僕は現状の日本の社会課題を憂い危機感を持って行動し,自分の持てる能力(例えばコンピュータを使った人の能力の技術的サポート)を使って社会に貢献しようと思っている研究者であり,起業家であります.そういった社会課題を議論する場を作ったり,工学的に貢献したり,メディアで発信することで多様な人にとって暮らしやすい社会を実現したいと考えています.
(引用:落合陽一が文學界の「落合古市対談」で伝えたかったこと|落合陽一|note


自分自身で目の前の問題に取り組むとともに、メディアで自分の考えている問題認識を共有し、メディアを通して自分と同じ問題認識を持った人を作ることで日本の問題解決を加速させたいのかなと。


とはいえ、個々人にとって日本の問題を考えて生きるのは自分の能力に対して問題が大きすぎるし、自分の取り組んでいる目の前の仕事に全力で取り組んでいくことが大事そう。


日本進化論 (SB新書)
落合 陽一 (著)
SBクリエイティブ (出版)
2019-01-08 (発売日)
¥ 864より 3 新書の出品中
¥ 1,120より 4 中古品の出品中
*価格と出品数は2019年1月13日時点のもの


では!