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【書評】ここまで感性を論理的に説明できるのか!くまモン父の水野さんの『センスは知識からはじまる』


水野学さんの『センスは知識からはじまる』を読みました!

先天的に獲得されるもので感性が重視される(と思われている)「センス」と、後天的に獲得できる「知識」はしばしば対比的に使われることがあると思います。僕も疑いなくそう思っていました。

しかし、そうではない。センスとされるものは、世間で言われているものとは全く違うもので、後天的に獲得できるもの。そして、いまの社会で仕事をしていく上ではセンスの重要性が高まってきていて、そのセンスをいかに磨いていくかが大事なんだ。ということが書かれている本でした。

くまモンのデザインをし、クリエイティブディレクターとして多くの人にその名を知られる水野さんがどのようにして「センスは知識からはじまる」という結論に至ったのか。腹落ちする良書でした。


読んで印象に残った点

参考になった点をまとめておきます!!


「センス」とは何か?

水野さんは、センスを以下のように定義しているようです。

「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。
(引用:センスは知識からはじまる


普通こそ、「センスのいい/悪い」を測ることができる唯一の道具なのです。
(引用:センスは知識からはじまる


ぼくたちは日常的に「あの人ってセンスがいいよね!」と言ったり、「なんでか言葉にはできないけど、あの人のセンスはいいんだよね。」と思いますよね。その時に使っている「センス」という言葉は、「何か数値化できないけど、いい!」という、一見すると感覚的な表現であり、だからこそセンスとは感覚的なものであると思われがち。

また、「普通」とは一般的に他と同じような姿形をしていてパッとしないもの、変わり映えしないものを表現する時に使うような言葉として捉えられがちです。

しかし本著では、「普通」を知るためには「いいもの」と「悪いもの」を知っている必要があり、その両極端がわかるからこそその中間地点としての「普通」を知ることができるのだとされています。

そして、普通の感覚を持てていると言うことは、数値化できない対象物に関して、いいものと悪いものとその中間地点のグラデーションを捉えることができているということであり、その感覚を持てているということは、何が一番良いのかを見極めることができるということだと。


そもそも、人が「センスがいい」と思うものには加減があり、全く知らないものに対してはセンスがいいと感じることはできない。例えば、縄文時代の人に携帯電話を見せても、これの何がすごいのか理解できず謎の物体としか受け取られない一方で、家に置き電話しかない昭和時代の人に見せれば、それはこれまでの生活を劇的によくしてくれる画期的なものだと評価されるかもしれません。

つまり、「その人がどの程度の知識を持っているのか」によって、目の前のものが「いいもの」なのか「悪いもの」なのかどうかは決まってしまう。数値化できないものの良し悪しは、その人が蓄えている「知識」や「経験」に依存しているということです。


水野さんの指摘しているように、センスは知識によって生まれているなと妙に納得しました。


どのようにセンスを磨いていくか


「センスは磨いていくことができるのか?」


この疑問に対して、水野さんは一例として方法を紹介されていました。


何か新しいテーマに関していいものと悪いものを見極めるセンスを磨くには、王道から入って流行のものに触れるのがよいそう。たとえば日本酒のことに関してセンスを磨きたいのであれば、まずは王道の加茂錦や鶴齢から味わい、そのパッケージ、飲み方、よく飲んでいる客層、酒造など多角的な視点から観察する。王道を味わったら、新しい試みとして始まっているスパークリングやワイングラスで日本酒を味わうスタイルなど流行的に受け入れられている日本酒を味わってみる。

王道と流行のものを味わう中で、どこに共通点があるのか、どこが新しいのか、全く変わらないものはないのか、なぜ日本酒は〇〇なのか、などと様々な疑問をめぐらしていく。そうしていく中で、日本酒の輪郭を徐々に見出していき、いいものと悪いものを判断するための知識を蓄えていく。


味わいを繰り返すことで徐々に普通がわかるようになってきたら、誰にとっては何が求められているのか、全く違うものでもなく、今までと全く同じものでもなく、いい塩梅に普通からずらして「へえ〜」と思われるのは、どのような商品なのかと考えていく。

このようにテーマに向き合うことで、センスを磨きながら求められているコンテンツを企画していくことができると。


僕は自分にセンスがないとずっと思っていましたが、この方法ならすぐに試すことができるし、何か新しいテーマを学ぶ時に活用できそうな考え方、味わい方だなと思いました。


まとめ

以上、『センスは知識からはじまる』の書評でした!

あらゆる分野のデザインを手がける水野さんがどのようにして仕事を進めているのか、なぜ多方面で既存のものと少しずれていて、それでいて消費者に刺さる企画を出すことができるのか。その一端を垣間見れる良書だなと感じました。


記事には書きませんでしたが、水野さんが普段インプット習慣として何をしているのかなど、他にも自分の生活に取り入れようと思った内容が多々ありました。

「自分ってセンスがないんだよな〜。」と思っている方は、ぜひ読んでみてください〜。


センスは知識からはじまる
水野学 (著)
朝日新聞出版 (出版)


では!