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【書評】『時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)』を読んで


佐藤 航陽さんの『時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)』を読みました!

佐藤さんの前回の著書、『未来に先回りする思考法』『 お金2.0 新しい経済のルールと生き方 』に続いての著書。今回読んだ本も未来予測のパターンを紹介するという内容になっていたのですが、わかりやすくまとめられていて内容が理解しやすかったです。

何も意識せず普通に生活しているだけでは、Googleが自動運転に参入すること、AndroidがiPhoneの市場シェアを抜くことなどを予想することは困難であり、なぜその現象が起こったのか理解できない。その現象がなぜ起こったのか、これからその現象がどのように変化していくのか?を予測する方法が紹介される本書を読んで印象的だったことをメモしておきます。


読んで印象に残った点

参考になった点をまとめておきます!!


点を見るか線を見るか

本書の中で前提になっているのが以下の考え方でした。

適切なときに、適切な場所にいることが、リターンを生む
(引用:『時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)』)

いかに早く未来を予測し、その来るべき未来に備えておき、適切なタイミングで行動することで、リターンを得ることができる。まずは未来を予測することが必要。未来することは容易ではないが、パターンをもとに大きな流れを掴むことはできる。そのために真っ先にやるべきことが、未来をパターン予測するために、パターンを知ること。

パターンを知らない人からすると、新しい技術や新しいサービスは点でしかない。例えば、Googleが自動運転車を開発し始めた時は、「なんで検索エンジンの会社が自動運転車を開発するの?」と疑問に思うし、VRや人工知能などのワードが雑誌やテレビで喧伝されるようになっても、なにか流行ってるみたいだね。程度の印象しか持てない。

この状態だと、リターンを得ることは不可能。

社会のニーズが顕在化してから行動を起こすのではなく、社会のニーズが顕在化しうる未来を予測してそのニーズに対して早くから行動を起こしておくこと。未来に先回りすることが必須だと。


未来を予見して行動してリターンを得た具体例として、2011年ごろにほとんどのスマホユーザーはiPhoneを使い、Androidはボロボロのガラクタで誰も使っていなかった状況の時にAndroidでのサービス展開を行い、2014年頃にスマホのシェアとしてAndroidが優勢な状況になって事業が急拡大した事例が紹介されていました。

ここで佐藤さんが未来を予測できたのは、過去のWindowsとAppleのOSシェア争いからパターン認識したからだと。元々はAppleのOSが使われていたが、徐々にWindowsのOSのシェアが拡大し、今ではWindowsのOSのシェアが市場のほとんどを握っている。AppleとWindowsの違いは、Appleは垂直統合型で全て自社内で完結させる戦略を取り、WindowsはOSを他企業も利用できるようにして自社の得意なところだけに特化するという水平分業型のモデルを取っていた。そして、iPhoneとAndroidもまさしくその構図になっていて、同じパターンを辿るのであれば市場で浸透するのはAndroidの方だと。

結果的にAndroidを採用するスマホメーカーが急増し、他の企業の予想に反してAndroid内でのサービス展開の市場は急拡大した。これによって、メタップスは事業を急拡大することができたのだと。

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他の多くの企業は2011年時点でのiPhoneの市場が大きいことと、Androidの使い勝手の悪さから当時はAndroid市場に投資することができなかった。これらの企業は当時の状況を点で見ることしかできていなかったため、その後3年間でスマホ市場の線がどのように動くのかを見定めることができなかった。


いかにして過去のパターンを学び、現状を分析して今後のパターンを予想して行動するかが重要なことが、この佐藤さんの事業展開の例からわかりますね。社会の流れをパターンとして見て、企業の動きを線として見ると、Googleが自動運転車に参入したニュースを聞いて、「情報を収集するツールとして車に可能性を見出しているんだな。」と考えることができるようになる。


テクノロジーによって社会が変わっていくパターン

テクノロジーによって社会が変わっていくパターンにはどのようなものがあるのか紹介されていました。その中でも、以下の3つが個人的には印象的でした。

・エントロピーが増大していく。
・テクノロジーと人間の主従関係は逆転していく。
・テクノロジーは最適解を生み出すことに長けている。


・エントロピーが増大していく。

すべての物質や現象はエントロピーが増大するような動きをする。どういうことかというと、青色と赤色と黄色を混ぜると、3つの色が別々に存在していた状態からそれぞれの色が混ざり合って黒っぽい色になっていくように、全ての現象は秩序のある状態から無秩序な状態に変化していく。

これはテクノロジーの浸透でも起こることで、もともと軍事データのやり取りのために研究室の一室で開発されたコンピュータ技術が、徐々に学者同士のファイルやり取りに活用され、誰でも投稿できるものになり、今ではほとんどの人が双方向に画像や動画などあらゆるデータをやりとりすることができるようになっている。


・テクノロジーと人間の主従関係は逆転していく。

もともとお金は価値の交換のために発明されたテクノロジーであり、物々交換をより便利にさせるためのものでしかなかった。しかし、お金があらゆるところで活用されるようになると、お金であらゆるものの価値を測ることができるようになり、年収や資産という個人の新たな価値尺度を作り、生活費を以下に稼ぐか?というように人々の生き方に影響を与えるようになってしまった。

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元々は人間が使うツールとして発明されたテクノロジーも、それが広く活用されるようになると逆にテクノロジーが人々の行動や考え方に影響を与えるように、主従関係の逆転が起こる。


僕はテクノロジーによって自分の行動が影響を受けていることにそんなに嫌悪感はなく、むしろテクノロジーによって生活が便利になるならそれは歓迎すべきことだと思っていますが、「人工知能に仕事が奪われる!」「スマホばかり触っているとバカになる!」という論調を持っている人は、テクノロジーに影響を受け主従関係が逆転してしまうことに対して嫌悪感が高い人たちなのかもしれないなと。


・テクノロジーは最適解を生み出すことに長けている。

特にインターネットを活用して膨大なデータを収集し、プログラムによって購買に繋がりそうなユーザーに広告を打つ。このようなプログラムは、短期的に売り上げをあげるという意味では企業の優れている。一方で、購買に繋がる確率が低いが、なんども広告を見ることで購買する可能性がある潜在的なニーズのあるユーザーに対して広告を打つようなことは最適ではないから選択しづらい。

外れ値的な行動を想像して広告を投下する仕事などは、まだ人間の方が得意な領域なのかなと。


フィールドを変えること

自転車を永遠に漕いでいても空を飛ぶことはできないし、自動車を改善し続けても月に行くことはできない。

これは本書の中では直接的に説明されていることではないですが、一時的な仕事の成果の落ち込みなどに耐え、そもそも戦うフィールドを見直すことの大事さが端的に表現されていて大事だなと思ったのでメモ。

Googleの20%ルール(社員は業務時間の20%を経営者の意思に関係なく、好きな活動に従事していい。)にも見られるように、そもそも戦うフィールドが正しいのか?何か違う領域はないのか?を模索するために今取り組んでいる仕事から離れて見ることは大事なのかなと。


様々な視点からの未来予測のパターンが紹介されていて、他にも参考になる部分の多い本でした。


まとめ

以上、『時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)』の書評でした!

現状を改めて考え直し、今後どこに機会がありそうか考え、自分の時間をどこに使うかを決めるために参考になる良書。

とりあえず、インターネットと電気の普及のパターンが本当に同じなのか調べてみようと思います。


時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (リベラルアーツカレッジ)
佐藤 航陽 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (出版)


では!