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物事を考えるときに感情よりも合理性を優先させると日本ではサイコパスと呼ばれるらしい


森岡さんが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに導入した秘伝の数式を公開した本『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』を読みました。

ビジネスの成否は確率で決まっていて、確率はある程度まで操作することができる。という内容の本で、USJでハリーポッターのテーマパークをオープンさせるまでにどのような数式を用いて、どのような勝ち筋を描いていたのかが詳細に解説されている良書でした。

読んで印象に残ったことを簡単にメモしておきます。


読んで印象に残った点


多くの人は考えて決めることにストレスを感じる

「多くの人は自分の頭で考えて決めることにストレスを感じる。」ということが本書の中で指摘されており、その好例として国別のドナー提供同意率のデータが示されていた。

ドナーの同意に関して国別のデータをみると、ポーランドやフランスでのドナー提供の割合は100%近いにも関わらず、ドナー提供に関して積極的にキャンペーンを実施したオランダではドナー同意率が20%程度となっている。

これは一見すると、国民性や文化がそうさせているのかと思わせるが、同意率が高い国と低い国にはある違いがあった。それは、質問の文章。

「ドナーの提供に同意しますか?」という質問内容にして、同意する場合はチェックするようにしていた国は軒並み同意率が低く、「ドナーの提供に同意しない場合はチェックしてください」という文章にしていた国では同意率が100%程度になるという結果になった。

このことから、多くの人は文章をしっかりと読んで、自分の頭で必要な情報を検討して行動を起こすということに対してストレスを感じやすい。あらかじめ用意されている選択のままにしやすい傾向があるということがわかります。

この例は納得感が高かったです。僕の周りでも「電話あまり使ってないなら、携帯電話を格安スマホに乗り換えれば月々5000円は安くなるよ!」と会社の同僚に説明しても、多くの人は乗り換えようとはしません。

乗り換えるためには、自分で格安スマホのメリットとデメリットを調べ、乗り換えるならどの機種がいいのか調べ、どこで買い換えられるのか調べて購入の決定をする必要があります。多くの人にとって、ここまで情報を検索して行動をおこすことは、相当コストが高いんだろうなあと。月々5000円の損 < 自分で調べて行動を起こす という感じ方になっているのは、個人的に衝撃ですが!そういう人が多い。

普段ブログを書く人や、僕のブログを読んでくれているような人は、自分で情報を調べて比較検討していいものを選択するということが当たり前になっていると思います。でも、社会の多くの人はそうではない。

最近は投資の領域でのロボアドバイザーや、料理レシピをレコメンドしてくれるようなサービスなど、自分で考えなくても最適なものを選択してくれるサービスが増えてきていますが、この流れは今後も様々な領域で進行していくような気がします(・v・)b


考えるときに感情よりも合理性を優先させるとサイコパス

「物事を考えるときに感情よりも合理性を優先させると日本ではサイコパスと呼ばれてしまう」ということが指摘されていました。例えば、「Aのレーンには1人の大男、Bのレーンには5人の人々が倒れていて、どちらか片方のレーンを選ばないといけない」という状況に遭遇したときに、感情を優先させて選べなくなってしまうのが多くの日本人の感覚。

「Aのレーンの大男の方のレーンを選択した方が、5-1=4で4人の命が助かる」という選択をとると、その合理的な選択に対して多くの日本人はサイコパスを感じる。合理的に意思決定をするということに慣れていない日本人は、感情抜きに意思決定をしている人を見ると、何か危険なものを感じてしまうということらしい。

ここで面白い指摘がされていたのが、ビジネス上でサイコパスだとされる人も、私生活ではむしろ感情豊かであることも多い。鉄の女と言われたサッチャーは、仕事においては冷酷で合理的な判断をしている人という印象があるが、私生活では映画や小説ですぐに涙を流す一面があると。

日本人の多くは物事を決めるときにどの選択がもっとも合理的か?という考え方ではなく、選択したときに周りがどう思うか、選択されなかった人は悲しむかなど感情を持ち込んでしまう。その結果、意思決定にズレが生じてしまいやすく、求める結果が得にくくなることもあると。


消費者の生活全体から困りごとを見つけると刺さる

消費者が感じている困りごとを見つけ、その困りごとを解決する商品だという訴求をすると、消費者は一気にその商品を受け入れる。

洗濯市場では、より汚れが落ちることが大事だと考えていたライオンが大きな粉洗剤を売っていた。そこに花王が消費者はより手軽に持ち運べて家でも場所を取らない洗剤を求めているのでは?と消費者の生活課題を見つけ出し、従来のライオンの洗剤の1/3のサイズの洗剤(アタック)を市場に投下すると大ヒットとなった。

トリートメント市場では、P&Gが西洋人向けのコンセプトで商品展開をしていたたが、花王が「日本の女性は美しい」というコンセプトでサラサラな黒髪女性に焦点を当ててアジエンスやTSUBAKIを市場に展開し、日本人女性に刺さって大人気となった。

消費者の生活全体を見渡し、何に対して困りごとを持っているのか、その困りごとを既存大手のサービスと差別化して展開するにはどのような商品が考えられるか?と考えを進めていくことが大事。


まとめ

以上、『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』を読んで印象に残った点のまとめでした。普段の仕事でマーケティングを専門に行うことがない人でも一読の価値がある本だと感じました。

業務でマーケティングに携わっている方は、本書で紹介されている数式を自社のサービスで応用してみると実践的な市場需要予測、どの程度売り上げが上がるのかの分析ができるかと思います。


確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
森岡 毅 (著), 今西 聖貴 (著)
KADOKAWA/角川書店 (2016/6/2)


では。