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【書評】落合陽一さんの『日本再興戦略』を読んで再考③ ~「落合陽一」学~


こんばんは!


今回は、落合陽一さんの『日本再興戦略』を読んでの学び書評の最終弾です!


落合陽一さん。圧倒的に頭良くて、スーパークリエイターで、起業家で、大学教授で、メディアアーティストで圧倒的にエモい。日本が生んだNEO人類感ありますよね。なんでこんなにあらゆる物事に対して独自の視点で鋭い考察を展開できるのかな?という疑問があったので、落合さんの思考パターンを勝手に考えてみました。


落合陽一さんの特異な思考方法?


それでは、落合陽一さんの思考方法の特筆すべき点に関して、気づいたことをつらつら書いていきます。


時間軸と空間軸と専門分野という3次元横断的なメタ認知


落合さんの発する言葉で驚くのは、古今東西の事例と、その当時の思想・思惑、それらがどのように共通しているのか、影響し合っているのかを独自に解釈している点です。具体的には、「時間軸」「空間軸」「専門分野」という3つの次元を縦横無尽に駆け巡っている印象です。
時間軸:日本の大和朝廷時代からの行政、宗教、文化のあり方、そして、平安時代、戦国時代、江戸時代、明治、昭和とそれぞれの時代にどのような思惑でどのような出来事が起き、それが当時と現代の日本国民にどのように影響しているのかを説明できる。
空間軸:日本の江戸時代の士農工商の仕組みと、インドのカースト制との共通点。日本の八百万の神信仰のあり方と、ギリシャの神々の信仰のあり方と、西欧の一神教とイスラムの一神教とそれぞれどのような違いがあるのか理解している。
専門分野:コンピュータサイエンスへの造詣が深いのはもちろん、日本の歴史、アート、ファッション、メディア、金融など様々な分野に関して専門化水準の知識と考察を持っている。


この3軸でここまでの広さを持ってメタ認知ができる人は、日本では落合さんくらいじゃないですかね?メタップスの佐藤さんも時間軸と空間軸は広いですが、専門分野を横断しているかと言うと落合さんの圧勝でしょうし、堀江貴文さんも時間軸では落合さんに敵わないんじゃないかと感じます。


ここまでの横断的な知識とメタ認知能力をどのように獲得したのかな?と気になったのですが、「大学生の頃に岩波文庫を毎日1冊読んでいた」「何でも分解してみることが趣味だった」「親の言っていること、周りの言っていることは基本的に疑って、すぐに自分で調べていた」などの発言(LivePicksでの落合さんの発言を参考にしました。)から、何事も気になったらすぐに調べるという物心ついた時からの習慣が彼のメタ認知能力の礎になっているのかなと浅い考察をしています。


あらゆる事象を不可分なところまで分解、多面的に評価して、再構築する


これは落合さんの「陽一(陽子と電子)」という名前が見事に表現していて、親御さんの命名センスはんぱないなと思います。物心ついた頃から、家庭電話器を分解したりしていた落合さんは、その思考過程においてもあらゆる事象を分解して捉えている癖がありそうです。「欧米は存在しなくて、欧州と米国。しかも、米国の中でも、シリコンバレーとその他9割のトランプを選ぶ米国民」という表現が著書の中に出てきますが、一般的に物事を考える上で、「欧米」というくくりで事象を捉えがちなところを、米国と欧州、その米国の中でもシリコンバレーに代表される西海岸とその他の文化に分解して捉えていることが印象的です。そして、その分解を行ったのちに、それぞれの事象が相互にどのように違うのか、どのような点で共通しているのか?をあらゆる観点から評価して、新たな発見を行う。


これは、科学者・研究者にとっては一種日常なのかもしれません。しかし、落合さんは、「分解する限界点が原子に限りなく近く、そこから分解物を評価する時に総動員させる知識・感覚の幅が広く、再構築のための高い水準の技術力を持っている。」という点において、他を圧倒しているのだろうと思います。この作業が圧倒的に速く、日常で無意識のうちに繰り返されてきた習慣が、今の彼の知的マッチョさを形成しているのかなと感じさせられます。


特定条件下で最も投資対効果が高い選択肢の選定


落合さんの考え方の見習いたいなと思う点は、特定の条件下で最も投資対効果が高い選択肢を常に検証して最適化し続けているところですね。自動翻訳技術が普及し始めている現代において、英語の教育は必要ではなくて、海外の人に伝える価値のあるコンテンツを磨くことが大事なのではないか?日本が少子高齢化で課題先進国で、人手不足でロボットに好意的であること。という条件下では最も投資対効果が良い国策は何なのか?などと、特定の条件下での最適な方法を常に自問してやってみて検証し続けている印象が強いです。情熱大陸で取り上げられて話題になったカレーを常温でストローで飲む食事スタイルも、彼の置かれた環境下で、最もコスパよく栄養摂取するための方法として試行錯誤した結果として生まれたわけでしょうしね。


落合さんは自分の機会選択においても同上の思考方法を実践しているように感じます。
・経営者としてイノベーションを起こし、技術を活用して新たな社会的価値を実装する。
・大学で教育を行い、日本のグランドデザインをするための仲間を育てる(松下村塾の吉田松陰などからの学び)
・メディアアーティストとして、日本の文化を捉え直し、国家全体としてのグランドデザインを進める。
以上3つの大枠で自分の役割を捉えていると著書中で述べられていましたが、その機会選択も古典や技術を学んでいく中で最も投資対効果が高いと判断した結果として現状選択している最適解なのでしょう。

落合陽一さんの思考方法から学べることとは?


僕ら一般人が落合さんの思考方法から学べることは何なのでしょうか。
カレーを常温でストローで飲むのを真似するのはすぐに誰でもできますが、それだけで彼のメタ認知能力がつくはずもありませんし...。


僕は、彼の機会選択から学べることが大きいなと思いました。
「大学の依存から脱し、自由に自分の研究のマネジメントをすることが最もコスパいいのではないか。」という仮説を立てて、そのためには大学に頼らない構造が必要だと考えます。そして、2015年には起業して自分で自分の給料を稼ぐ下地を作り、2年後の2017年に研究基盤室を作り、安定して給与を貰える既存のポジション(大学助教授)を捨てます。これによって、給与が急にゼロになるかもしれなリスクは最小限で、かつ自分の裁量で研究を行える構造を作り出しています。さらにすごいところは、これが大学にとって一方的に不利益となるものではなく、大学の研究のあり方の新たなモデルとなるかもしれないという点です。これが成し遂げられれば、大学も新たなモデルを創出でき、新たな価値を生み出していくことができるかもしれません。


この落合さんの機会選択と時間と労力の配分戦略から学べることとして、今安定的に報酬を得られているところでの報酬はもらえている環境で、今は価値がないけど、将来的には今よりも価値が大きくなるものに自分の余剰時間と余剰労力を配分していき、新しい投資対象がある程度価値を持ち始めたら、既存の価値が安定していた(が、今後大きく向上することは期待できない)ものを捨て去って、新たな価値の方にさらに全力を向けていく。という方針です。


これを一会社員が真似するのであれば、まずは会社での本業で求められていることに応え続け、自分の余剰時間である週末や平日の夜の時間を、今後必要とされるであろうスキル開発のためや、副業のために充てるという方法が考えられます。これを気づいた時点から実行・継続しているかしていないかによって、その後3年以降での自分のキャリアの選択肢と、主体的に選択できることによる納得感に大きな差が生まれるのではないかなと思っています。



まだまだ学ぶべきところが尽きない先達です。いつかは対等に議論ができるようになりたいものですね。



では。