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【書評】落合陽一さんの『日本再興戦略』を読んで再考② ~日本のグランドデザイン~


こんばんは!


今回は、落合陽一さんの『日本再興戦略』を読んでの学びまとめ第2弾です!日本のこれまでのグランドデザインと、これからのグランドデザインはどうあるべきかに関してまとめておきます!


日本の戦後のグランドデザイン?


第2次世界大戦で敗戦し、荒廃した日本。そこから世界2位の経済大国に成長するまでにどのようなグランドデザインがなされていたのかに関して見ていきます。


戦後日本の経済成長を支えた3つの仕組み


戦後の日本の経済成長を支えたものとして、「均一的な大学教育の浸透」、「マスメディアによる大量生産・大量消費行動の煽動」、「住宅ローン」が挙げられています。均一的に学力を評価する偏差値という仕組みを導入し、記憶力偏重の学力試験で個人の学力を評価し、伸ばしていくという仕組みによって、「与えられた(パターンの決まった)課題・問題をいかに速く解くか」という能力が劇的に向上し、大量生産・大量消費社会における工場での生産性向上、一定の教育水準を満たした中流サラリーマンを生み、傾斜生産方式下での圧倒的な経済成長の礎が生まれました。そして、マスメディアによって「出世して、給料を上げて、車を買って、テレビを買って、結婚して、家をローンで買って、子供は2人で...」と一般的な生き方、幸福の形、価値観がインストールされ、その生き方を享受していくことが人生の幸福を生むという幻想を生みました。これは現代から見ると異様なように感じますが、当時としては日々生活水準が良くなっていくことを実感でき、会社で仕事をすればする分だけ出世もでき、給料も上がり、物質的な幸福感も得られるという素晴らしい時代だったと思います。そしてその当時には、生涯賃金の安定的な増加が半ば約束されていた(ような幻想があった)ため、結婚したら親にお金を借りてでも頭金を払って、30年分の住宅ローンを組むという生き方が一般的でした。この仕組みによって、日本政府としては安定的に税収を見込め、建設によってインフラを整えることができていました。


この「均一な教育」「マスメディアの大量生産・大量消費モデルの煽動」「住宅ローン」の仕組みは、戦後当時の日本経済環境下においては、極めて有効に働いていたと思いますし、この絵を描いた当時の政治家、官僚は相当に頭が良かったと脱帽する思いです。しかし、人口ボーナスによって自動的に大量生産大量消費が進み、経済が伸びていく時代において有効だった3つの仕組みは、人口減少が起き、物が売れず、課題が複雑化・個別化している現代においては機能しなくなっています。そのような現代において、国のグランドデザインを改めて描きなおす必要があるのではないかというのが本紙の問題提起となっています。


戦後日本の経済成長の結果生まれた現代の負の副産物


人口ボーナス・大量生産大量消費の時代における生産性向上と経済発展を推し進めた結果、トヨタとアップルとソニーなどの世界的な企業が生まれましたが、負の副産物も生まれました。工場での生産性向上のため、与えられた課題を早く解くための画一的な教育が一般化した社会においては、新たな課題を発見すること、新たな価値を生み出すことが苦手な国民を生む結果となりました。また、幸福の形をメディアが定義し、そのレールに沿うことが幸せであるという幻想が生まれた結果、そのレールから外れると不幸であるという幻想も生まれてしまい、受験失敗、会社解雇などに陥った人の不幸感を増幅させる社会を生んでしまっています。また、新たなルールを作るという仕組みを開発しなかったのが一因か、現代のプラットフォームビジネスはシリコンバレーにその大半を占められています(小売のAmazon、アプリのAplle・Google、SNSのFacebookなど)。これによって、日本で好景気になっても、そのビジネスのプラットフォームである企業に手数料を自動的に取られてしまって日本企業の取り分は増えにくく、末端社員の給与も上がりにくいという状況が生まれてしまっています。


改めて考えてみると、僕の実家も典型的な戦後の価値観に染まった家庭です。結婚して子供が小学生に上がったタイミングで30年の住宅ローンを組んで2500万円程度の一軒家を購入し、20年経った今でも毎月10万円ずつのローンを支払い続けています。30年で完済しきる頃には、利子も含めて3000万円ものお金を支払うことになります。62歳までローンを払い続けることになります。共働きなので、父母どちらかが病気で倒れると、医療費の増加と家庭所得の現象によって、ローンの返済は止まってしまうと思います。このことに小学生の時点で気づいていれば、全力で引き止めました。無知だった自分を恨みます。残りのローンが1600万円程度なので、あと5年以内には可処分資産として稼ぎ切って、親の代わりに全額完済してやりたいです。頑張ろう。


いかに日本のグランドデザインを描き直していくべきなのか?


これからの日本のグランドデザインを考えていく上で
・大量生産大量消費社会から個別最適化多様性の社会への変容
・中央集権的な資本主義経済から、非中央集権的なトークンエコノミーへの変化
・少子高齢化に伴う人手不足をロボットによって解消し、そのパッケージを海外に輸出する
・主導型のリーダ−1.0から特化相互依存型のリーダー2.0の創出
が大事であると言及されています。


今までは技術や社会に応じて個人が角を削って適用せざるを得ない社会だったのが、これからは個人個人にとって最適な生き方が生まれ、多様な人や生き方が可能になっていくとされています。これは、HMDや自動運転技術や同時翻訳技術、ブロックチェーン技術、5G(第5世代通信)などによって、個人の生き方や違いをテクノロジーが吸収し、個人にとっての最適な生き方を支えてくれるようになっていきます。そして、現代においては中央集権的に大企業や中央集権的な都市が利益を独占している構図が、ブロックチェーン技術によって、価値があると共通認識を持っている集団同士でやり取りができるトークンを発行し、そのトークンのやり取りによって経済が完結するというトークンエコノミーの時代に言及しています。具体的には、つくば市がICOをしたり、エストニアなどの小国が新たな経済圏を目指して一国全体ICOするような社会になっていくと。そして、日本の少子高齢化が進展することは避けられない事実であるのだから、それを逆手にとってロボットによる人手不足の解消、ロボットを積極的に生活に取り込んで、一人当たりの生産性を上げていこうよ。さらには、以上の仕組みを推し進めるために、圧倒的なリーダーシップで率いていく力技でのリーダーシップではなくて、何かに特化している一方で一人では何もできない。それゆえに手助けしたくなるようなリーダーを輩出していくことが重要だと述べています。


これはワクワクしますね。落合さんは「今置かれている状況下でどの選択肢が最も費用対効果がいいのか?」を考える能力に本当に長けていると感じさせられます。人口減少に関しては、悲観的に捉えるんじゃなくて、ロボットを積極的に生活に取り込んでいくための好機であると。そして、地方都市がトークンエコノミーを通して新たな価値を発掘していく社会とそこに魅力を感じる人が積極的にその経済圏への参加を選択できる社会は早く実現したいものです。


まとめ


ここまで、これからの日本のグランドデザインに関して見ていきましたが、落合さんが言及していて目からうろこが落ちる思いをした指摘がこちら。

オールドエコノミー(法定通貨の既得権益が存在する経済)と新たなトークンエコノミーの対立構造ではなくて、総体としての利益を増やしていくという方向性を取るべき(ライブドアのように、既存のメディアであるフジテレビを力づくで買収する方式ではなく、プリファードネットワークスのように大企業トヨタと共同研究して共に価値を創出していく方式が求められている)。


これには、なるほどと思いましたね。
既存の既得権益からのパイの取り合いをしてしまうと、どこかで不正や足の引っ張り合いが発生してしまい、どうしても全体としての進展は遅れてしまう。下手をすると、新しい価値は既存の価値に押し潰されてしまう。そうではなくて、既得権益を儲けさせると同時に、新しい価値も生んでいこうよと。言うのは簡単だけど実行するのはとても難しそうですが、意識することに大きな意義がありそうな指摘だなと思いました。


日本の一国民として、自分にできることはまだまだほとんどないですが、僕は日本人として海外に出て、日本にいるだけでは得られない情報を日本に伝え、日本の良さを海外に伝え、日本の今後のあるべき姿を日本の外から考え、実現のために貢献できるような人になりたいですね。


自分の生き方に関して改めて考えさせられる機会になりました。



では!